世界放浪2年の序盤、東チベットを旅していた私は、理塘(リタン)にたどり着いた。
標高4000Mの高所にある街。
森林限界を超えた草原の丘の風景や、冬虫夏草が売られた街並みなど、
これぞ秘境村、最果ての村の雰囲気に私は興奮した。
そんな東チベットエリアを旅した旅行記を紹介したい。
(*本記事は2014年6月に滞在した情報をもとに作成しています)
康定から理塘へ
▼放浪202日目 2014/6/27(金)
朝9時、康定の街を出発し車に揺られる。
森林限界を超えた標高の高い地域なので、道中はどこまでも広がる草原の丘。
こういう景色を見たくて旅をしている。
お昼を過ぎに標高4000mの街、理塘(リタン)に着いた。
理塘の安宿「布達拉大酒店(ポタラ・イン)」
宿はバスから降りて脇道に入ってすぐの、「布達拉大酒店(ポタラ・イン)」へ。一泊20元(320円)。
宿泊客の荷物が散乱しているが、掃除は行き届き清潔感のあるドミトリー。
場所は大体この辺にある。
理塘観光・大柄なチベット人
彼らチベット人は体が大きく肌の色は浅黒く、つばの大きなテンガロンハットをかぶっているのが印象的であった。
広場の近くには、銃を携帯した公安がガッチリと見張っていた。
中国とチベットの関係は良い状態ではない。
散歩していて偶然通りかかった食堂に寄り、焼飯を食べる。15元(¥240)
宿に戻り、明日はどこを巡ろうかと思いながら眠りについた。
理塘観光・街歩き
▼放浪203日目 2014/6/28(土)
この日、理塘の街は時折雨が降ったり止んだりの不安定な天気であった。
街角で売っている「冬虫夏草」
覗いてみると、ザルの上に木の根っこのような物が置かれていて、
それを覗き見に人が囲んでいた。
蛾の幼虫に寄生する菌の一種。
幼虫の体の養分を吸い、皮を食い破ると草になり、胞子を飛ばす。
漢方薬として高値で取引されていて、金よりも価値があるとされている。
この土地ならではの風景ではあるが、グロテクス。
チベット絨毯も売られていた。日本だと3万〜4万で売られているが、やはり現地で買えば安いのだろうか。
理塘観光・ゴンパ「チャムチェン・チョェコルリン寺」
川を北上して、お寺の観光「チャムチェン・チョェコルリン寺」(Lithang Gonchen monastery)へ向かう。
途中、現地のおじさまに声を掛けられ「タシデレー(こんちわー)」と挨拶をする。
豪快な雰囲気だ。
ゴンパの敷地内に入ると、「マニ車」を見かけた。
時計回りに一回転させると、お経を一回唱えるのと同じ功徳があるとの事。
勿論全て回してみる。
中国と日本は国同士ではあまり良くないが、実際にその不協和音を感じる事は少ない。
とてもフレンドリーで優しい人達ばかりだ。
チベット人と中国人も水と油の関係かと思っていたが、それ程でも無いような印象だ。(実際のところはわからないが。)
子供達に満面の笑みで「タシデレー!」と挨拶をしたが、カメラを向けると一目散に逃げられてしまった。怖がらせてすまない。
突然の大雨
ゴンパの奥にある丘へ向かって歩いていると、桶をひっくり返したような大雨が降り出してきた。
途端に気温が下がり、カバンの中から上着を出さねばならない程であった。
通り雨だったので30分程で雨は止んだ。
理塘の美しい丘
街を一望できる眺めの良い場所に着いたので自撮りをして証拠写真を収める。
写真を見返すと時折自分がそこに居たのかわからなくなる時がある。現実感が無いのだろうか。
遠くに見える山々はフワフワとした表面の芝生が美しく、巨人になって撫でてみたい衝動に駆られる。
30分程ぼんやりと景色を眺めていると、遠くでゴロゴロと雷が鳴ってきた。
雲行きが怪しいので足早に街へ戻る事にした。
理塘(リタン)。
今一つ見どころの少ないパッとしない街であったが
ここには鳥葬が見られる場所があるらしい。
この先の街、色達(セルタ)でも見る事が出来るが、理塘の方が人が少なく静かに見れるそうだ。
一望できる丘へも行けて、ほぼ理塘の街は満足出来たと感じ私は次の街への移動を決めた。
明日はここから北にある「甘孜(ガンゼ)」へ向かう。
つづく