KENJI HIROTA PHOTOGRAPHY

房総半島カメラマン・ヒロタケンジ

【天空のソンクル湖-旅行記】遊牧民の伝統的なテントで過ごした2泊3日の美しく穏やかな日々

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約7分


世界放浪2年の旅の中盤、中央アジアのキルギスという国を訪れました。
日本に住んでいた頃、何があるか全く知らない国でしたが、物価は安く大自然が豊かでとても気に入った国になりました。
キルギスの観光の中で最も印象に残った観光地、「ソンクル湖」の旅行記です。

・本記事は、2014年8月に旅した情報を元に作成しています

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田舎街ナリンから観光地のソンクル湖へ

▼放浪262日目 2014/8/26(火)
昨日はナリンの街でゆったりと過ごし、極上のシャシリク(串焼き)を食べ(※前回の記事)、
翌日朝早くにはキルギスJOCV隊員達と共にソンクル湖へ出発する。
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ちなみに、この観光ツアーはJOCVのハナエ隊員が企画してくれて、
ナリンからの往復の運賃と2泊3日の宿代、6食ご飯付きを4人で頭割りし、1人あたり2875ソム(約5600円)程。

街から2時間半ほど走り、我々が宿泊するソンクル湖の北部へ向かう。

目的の湖は標高が高い場所にあるので、グングンと山を登っていく。
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地上とは空気が変わるのか、空もどこかスッキリと晴れ渡る。
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休憩で下車した場所に看板があり、標高3346mと記されている。
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ここから山を標高3000m付近まで下ると、ようやくソンクル湖に辿り着いた。
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ソンクル湖到着

到着した一帯にはユルタ(遊牧民の移動式住居)が10棟程点在しており、我々にはこの中の一つをあてがわれた。
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中は簡易ベッドが置いてあり、寝心地は決して良くは無いが睡眠に問題はない。
夜はかなり冷えるので奥の暖炉のようなもに薪がくべられ、ユルタ内を温めてくれる。
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この宿は家族で経営しているようで、子供も慣れた手つきで魚を捌いている。
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湖へは歩いて10分以内でたどり着く事が出来る。
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ソンクル湖周辺をホーストレッキング

到着後は少し休憩し、皆で馬に乗る事に成った。料金は200ソム(約390円。)
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だだっ広い草原をゆっくりと闊歩する。「草原と旅人マサコ」
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湖は青く美しく佇んでいる。「湖とハナエ隊員」
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打ち捨てられた車の残骸もある。「廃車とハナコ隊員(仮名)」
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湖沿いをのんびりと歩く。
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近くで見ると驚く程に透明度の高い湖である。そして碧い。
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湖の反対側に目を向けると、ゆるやかで大きな丘が佇んでいる。
丘好きな私にとってたまらない景色だ。
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馬たちは基本的にやる気が無いので、すぐに歩みを止めては道草を食う。
何度強く腹を蹴ってもいう事が聞かない。
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キルギスでは以前も乗馬したことがあり、その時は意のままに操る事が出来て我ながら卓越した乗馬センスだと気を良くしていたが、勘違いのようだ。

遠くには颯爽と馬を走らせている人の姿が見えた。
彼は小さなムチを使って駆けていた。
腹を蹴るのもはばかれるのに、動物をムチで打つなんて出来ません。
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馬を降りて後ろにある小高い丘へ登る。
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丘の上からは宿泊しているユルタが見え、後ろの湖と共に大いなる大地を感じる。
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右に視線をやると胡麻塩のような羊の群れが見える。
こんな遠くまで見通せる景色を今まで見た事があっただろうか。
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キルギス遊牧民の食事

夕暮れが近くなり、夕食の支度が出来たらしい。
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肉じゃがみたいな料理が出て、甘みがあり懐かしさと共に旨い。
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そうこうしていると日が暮れはじめ、この日は床に就いた。
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ソンクル湖の澄み渡る朝陽

▼放浪263日目 2014/8/27(水)
ソンクル湖は朝の景色も美しいらしい。

まだ薄暗い夜明けに目を覚まし、裏の丘へ登ってみる。
夏のシーズンではあるが朝はかなり冷えた。
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標高が高いので坂を登るとすぐに息が切れる。
登っている最中に左手から日が出てきた。
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丘を登りきると、現実味のない景色と出会う事が出来た。
まるで違う惑星に来てしまったかのようだ。
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丘を降りて、湖方面へ向かう。なんと気持ちのよい時間だろうか。
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湖は鏡のように山を映している。
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おすすめの食べ物「カイマック」

8時過ぎ、宿へ戻り朝食をとる。
クレープのようなもっちりとした生地にジャムやカイマック(牛乳の脂肪分だけ抽出したもの)を塗り食べる。
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この「カイマック」はここではじめて食べたが、バターよりも後味がスッキリしていて、しつこくない。それでいて滑らかな味わいで、いくらでも食べられる勢いだった。
とはいえ、脂肪分満載なので食べ過ぎは良くないだろう。
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外で作っているおばちゃんが、グルグルと分離機のような機械を回していたので「私にもやらしてくれないか」と身振りで伝えると、首を横に振られてしまった。
駄目なのか。
そうか、きっと独自のコツや技術が必要で素人が手出ししてはならないのだろう。
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ソンクル湖周辺散歩

昨日に続いて乗馬をしようと言う事になり、馬の繋がれている場所へ行くと可愛い女の子が先客で座っていた。
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だけどその馬は私が乗る予定のもので、彼女を無理やり降ろさせるような形になり泣かせてしまった。
申し訳ない事をしてしまった。
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ところがその乗った馬はこちらの言う事を聞かず、進みたい方向へ進まず、もういいかと早々に引き返し、下馬した。
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ブラブラと景色を楽しみつつ、散歩したり。
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ロバに乗ったりして!
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お昼時になり、焼魚とスープが出てきた。
きっとあの少年が捌いてくれたのだろうか。湖で取れた魚らしい。
味は覚えていないが、身が豊富で旨かった気がした。
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羊の大群を追いかけまわす楽しさ

宿の近くには時折、放牧された羊の群れが通りかかる事がある。
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これを皆で追い込みをかけて楽しむ。
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群集が真っ二つに割れていく様は、見ていて爽快だ。
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羊たちには迷惑な話で悪いが、楽しいのだ。
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今日も一日体を沢山動かした。
ほっこりとした肉じゃが料理を食べて眠りについた。
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満開の星空

夜、少し起きて外に出て見る。
そこは真っ暗な無音の世界が広がり、空に目を凝らすと天の川が見える程の満点の星空が広がっていた。
周りに明かりが無い事、標高が高く空気が澄んでいる事で、いままで見た星空で一番と言えた。

高性能カメラを持っていたが、三脚が持ち合わせておらず、うまく写真に収める事は出来なかったが、あの景色はこの瞼の裏に焼き付いている。
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幻想のソンクル湖

▼放浪264日目 2014/8/28(木)
この日も朝早く起床し、湖へと向かった。

朝陽に染まった湖は薄く淡いピンク色に輝き、とても繊細な色使いをしていた。
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乳白色ともいえるだろうか。
なんとも幻想の世界へ入ってしまった。
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その時間もごくわずかで、朝陽が出てくるとまた景色も変わってきてしまう。
夜明けがきた。
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今日でもうソンクル湖の観光は終わる。
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最後に皆で記念撮影をお願いし、昼過ぎにはナリンの街へと戻った。
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ソンクル湖の旅を振り返って

ソンクル湖での2泊3日。
こうして記事にすると、起承転結の無いパンチに欠ける記録に見える。
ところが自分の中では特別な日々として心に刻まれている。

キルギスの遊牧の生活を見れたり、現地の料理を食べる事が出来たり。
あのどこまでも続くのではないかと思う緩やかな丘や、青に青を重ねた濃い湖の色。
その奥に白く荒々しく広がる山脈の数々。
あれは、キルギスでしか見れない風景だ。

数か月経ちこの記事を書いているが、確実にまた行きたいと思える場所の一つとなった。
時間の関係でキルギスの観光はあまり出来ず、他にも行けなかったイシク・クル湖やアラコル湖との比較は出来ないが、私はこのソンクル湖の思い出さえあれば、他の観光は良いかと思えた程に満たされたのだ。

また来よう、ソンクル湖へ。
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ソンクル湖へのアクセス
・日本→ビシュケク(キルギス)・・・・▶️ 格安航空券・海外旅行の【エアトリ】で往復チケット¥70,000より
・ビシュケク→ナリン・・・・乗り合いバス片道 350ソム(約¥680)
・ソンクル湖ツアー・・・・2泊3日食事付きで、1人頭2875ソム(約¥5600)
(*2014年の情報です。)

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