KENJI HIROTA PHOTOGRAPHY

房総半島カメラマン・ヒロタケンジ

キルギスの伝統競技『コクボル』の激しさ・頭部切断した山羊の胴体をボールにするスポーツ

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約6分


世界放浪2年の中盤、キルギスを旅していた私は、周辺国のビザの取得を終えて、いよいよ47日間のキルギスの旅を終える。

ちょうど独立記念日を迎えたキルギスでは、お祭りや伝統競技「コクボル」などを見ることができた。
そんなキルギスの最後にふさわしい、ビシュケクの日常を記録した旅行記である。

キルギス全体の観光・47日間の費用や旅のまとめは、以下の記事をご覧ください。
👉キルギス旅行47日間!絶対行くべき息を飲む絶景の湖や観光情報など

※本記事は2014年8月に滞在した情報を元に作成しました

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田舎町ナリンから馴染みの首都ビシュケクへ

▼放浪265日目 2014/8/29(金)
昨日までソンクル湖で美しすぎる湖を見て、満ちた心で今日はこのナリンを後にする。(※前回のソンクル湖記事
乗り合いバンで、首都のビシュケクへと戻る。
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途中、空腹を覚えたので、バスの休憩所でプロフを食べる。
これが意外と高い値段で少し贅沢をしてしまった。270ソム(約526円)。
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そして、キルギスのマイホームとも言える宿、南旅館へ久しぶりに戻った。
ここは時の流れが静かで、ゆっくりと出来る。
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▼放浪266日目 2014/8/30(土)
ビシュケクではオペラが観れるとの事で、一時期は毎日この劇場の前に足を運んでいた。
ところが何度行っても開場される気配が無い。チケットは一体どこで売っているのか。

この日、劇場の前を通ると見慣れない看板が見えて、
いよいよ今日オペラが観れるのかと期待したが違う。多分広告かなにかだ。
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(※どうやら夏はオペラはやらないとの噂がありました。)
 

これから行く予定の国、ウズベキスタンやイランはほぼATM無いらしく、
これまでクレジットカードのキャッシングでお金を下ろしていた私には、両替可能な米国ドルの準備が必要であった。

宿の近くのスーパーのATMでも米国ドルを下ろせるらしいが、散歩がてらにこの大きなハイヤットホテルまで行き、下ろすことした。
高級感があり、短パンTシャツサンダルのみすぼらしい格好で入るにはいささか勇気がいったが、紳士的なスタッフは快く迎え入れてくれ、ATMを使わせてくれた。
ホテルはこの辺りにある。

 

キルギス独立記念日

▼放浪267日目 2014/8/31(日)
崩壊したソビエト連邦からキルギスが独立を宣言をしたのが、1991年8月31日。
今日は丁度その独立記念日で、各地で様々なイベントが開催されているようだった。

南旅館の宿主ヌルダンさんが「皆行くなら車で連れてってあげるよ」とのお言葉に甘え、
「コクボル」というキルギス伝統競技を見に行く事にした。

宿から車で15分程の所にある競馬場のような場所へ入る。入場料200ソム(約390円)。
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会場内は、親の仇とでも言わんばかりの日が射していた。
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グラウンドの手前にも奥にも、警備の為かズラリと警察官が配備されている。
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屋根が無いので直射日光を浴びて、観客も警備の人も暑さで皆ぐったりとしているようだ。
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ふと前の席の観客の頭に「KG」の文字が。
キルギスへの愛を感じる。
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迫力の伝統競技「コクボル」

炎天下の中で1時間くらい経っただろうか。
もう暑いし帰ったろか!と思っていた矢先、ようやく選手が入場してきた。
いよいよ、はじまるようだ。
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この「コクボル」という伝統競技は、端的に言うとラグビーの乗馬バージョンである。
驚くのは、ボールの代わりに頭を切り落とした山羊を使うというもの。
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中身は砂が詰まっており、重さは20キロを超えるそうだ。
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このボール代わりの山羊を相手陣地のゴールへ入れて、点数を競い会うルールのようだ。
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動物をボールにするなんて、野蛮でえげつない競技だと思っていたが、はじまってみると気にならなくなってしまった。
そして見ていると面白いと思うところが多々あった。

1対1で山羊を奪い合いながら、膠着状態になったり。
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大人数で競り合い乱戦模様になっていたり。
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互いの馬で正面から、相当な勢いでぶつかっていく様は「ゴフッ」という音と共に、かなりの迫力があった。
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混戦から抜け出て、ゴールへ突っ走る場面では観客席も熱気に包まれる。
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ゴール付近では砂埃で、もう何が何やらわからなくなる。
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大きな馬を時に力強く、時には巧みにあやつっている。
山羊を持つ時は両手が塞がるので、手綱を口にくわえて馬を走らせている。すごい技術だ。
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独立記念日のアラトー広場

いやしかしそれにしても暑い。
約1時間程見て、おおよそ満足出来たので帰る事にした。
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ビシュケクの中心地であるアラトー広場に寄って、祭りの様子を楽しむ。
車道も開放されて、いつもより沢山の人が集まっていた。
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所々にステージがあり歌やダンスが行われていた。
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この会場かどこか知らないが、キルギスで大人気の演歌歌手、三田りょうさんが歌を披露するらしい。
珍百景的なのが好きなのと、本当に大人気かどうか確認したくて見ようと思ったが、時間が合わなかった。いや情熱が無かった。
(※参考 NAVERまとめ「キルギスで大ブレークしたおじさん演歌歌手がいた!!」)

こうして祭りの雰囲気をざっと味わえたのでまあいいか、と帰る事にした。
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ブラブラと散歩をしながら帰る。
そういえばもうすぐキルギスを離れる。名残惜しい。
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この南旅館とも、もうすぐお別れだ。
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夜行バスでウズベキスタンへ

▼放浪268日目 2014/9/1(月)
カザフスタン経由でウズベキスタンへ行くための夜行バスチケットを購入した。730ソム(約1400円)。
ああ、いよいよ明日キルギスを離れてしまう。寂しい。

夜はキルギスのJOCV隊員達のホームパーティに混ぜて貰った。
はなえ隊員の日本を思い出すカレーが五臓六腑に染み渡る。

レーナ隊員と知り合い、その繋がりで多くの隊員と友達になり沢山遊んだ。
彼らのおかげでキルギスの旅が2倍3倍と楽しく過ごすことが出来た。

この場をかりて御礼申し上げたい。
ありがとうJOCV隊員達。

また会おう。
 

▼放浪269日目 2014/9/2(火)
この日の夜行でウズベキスタンへ出発する。

最後はお世話になった、レーナ隊員、はなえ隊員、旅人まさこちゃんと餃子パーティ的な事をしてお別れをした。
私はポテトサラダを作った。
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約一か月半も居たキルギスと、これでお別れである。
この期間の半分はイランのVISAを待っていた日々の気もするが、それも含めてとても思い出深い国となった。

さよならキルギス。
沢山の思い出をありがとう。
また会いに行きます。

夜21時、皆に別れを告げ、西バスターミナルからカザフスタン行の夜行バスに乗り込んだ。

 

キルギス編 終わり

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