KENJI HIROTA PHOTOGRAPHY

ケンジ世界放浪の記録

ウズベキスタン・リシタン(1) NORIKO学級で先生を任されて失意に落ちる

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約 6 分

▼放浪273日目 2014/9/6(土)
古都コーカンドから南部にある街「リシタン」へ移動する。
シェアタクシーで9000スム(342円)。

リシタンへ来た理由は友人から来たメッセージがきっかけだった。

「ここに日本語学校があるのだけど、周辺の治安が心配で行こうか迷っている友人が居る。現地の状況がわかるかだろうか?」

外務省の海外安全HPを見るとたしかに、国境付近がオレンジ色で「渡航の延期をお勧めします。」と出ていた。
全画面キャプチャ 20150414 121518

 

過去訪れたキルギスやカンボジアにもこういった警告地帯があったが、
実際に現地へ行くと、夜道を歩いても問題ない程に平穏な地域である事が多かった。
(結果的にリシタンも夜は子供達が走り回り、出歩いても問題無い程の街だったが、油断はすべきではないだろう。)
私は宿の人間にフェルガナ地方に危険が無い事を確認すると、日本語学校に興味を抱いたのもあり、
「ついでに見てみるよ」との二つ返事でリシタンへ行く事を決めた。

 

外国で日本語の挨拶

午後14時頃、街に着き目的の日本語学校を探し歩いていると、
すれ違う多くの人に「コンニチワ!」と日本語で挨拶をされる。

日本から遠く離れたこのウズベキスタンの田舎街で、身近な言葉で話し掛けられる事に驚いてしまう。
彼らとは挨拶以上の会話は続かなかったが、声を掛けられると自然と笑みがこぼれ、嬉しいものだ。

 

このリシタンにある日本語学校(※以下NORIKO学級)は、日本語が堪能なウズベキスタン人ガニシェルさんが校長先生をされている。
事前にメールで待ち合わせして、自宅兼宿となっている場所に案内してくれた。
通された部屋やトイレ、中庭もとても清潔で広い。
ウズベキスタンの田舎に行くので、劣悪な環境を覚悟していたが、こんな快適に過ごせるとは思わなかった。
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ちなみに、ガニシェルさんの娘さんも流暢に日本語を話される。
そして毎食おなか一杯になるくらいの手料理を振舞ってくれる。

このガニシェルさんの家は、3食、Wifiつきで一泊30ドル。滞在登録も発行してくれる。
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NORIKO学級

「NORIKO学級」は故・大崎重勝さんの想いにより創られ、子供達に施設を無料で開放している。
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以下、大崎さんの理念に書かれていた言葉で、グッと来ていたものを、公式HPより抜粋した。

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NORIKO学級の理念」より

NORIKO学級は
お金の無い子供達が本を読み・勉強でき・心のやすらぐ場所である。
決して子供達からお金を集めてはいけない。

NORIKO学級は
大きくしなくてもいい・綺麗に立派にしなくてもいい・有名にしなくてもいい
子供達がいつでも 集まれる 楽しい場所にしておいてほしい。
(有名になり子供達が落着けない環境になる事を恐れているよう)

~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

お会いした事は無いが、大川さんの人柄が滲み出るような、素晴らしい言葉だと感じた。
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そんなNORIKO学級では日本語教師のボランティアを募集している。
私が訪れた時には日本語教師が誰もおらず、ある時ガニシェルさんは私にお願いをしてきた。

ガニシェルさんの無茶振り

ガニシェルさん「ケンジさん、明日なんか授業してくださいよ。」
ケンジ「ええええ!いやーー無理です。そんなのやった事ないですし!」

 

私は人前に立つのが苦手で、話も苦手で、人様に教えられる事なんて何もない。
教鞭をふるうようなタイプではないし、授業なんてどうしたら良いかもわからないし、そんなのは無理だ。

 

ガニシェルさん「何でもいいのよ!子供達とコミュニケーションさえとれば!」
ケンジ「な、何でもいい・・・。うーーーん。」

 

苦手だと思う事へ飛び込んでみれば、何か新しいものが見えるかもしれない。
そもそも、やってもいないのに無理だと諦めようとしている馬鹿がここにいる。

 

ケンジ「わ、わかりました。」

 

これはきっと神が与えたもうた試練なのだ、と大げさに捉えながら引き受ける事にした。
明日はどんな授業にしようか頭を悩ませながら、眠りについた。

グダグダな授業

▼放浪274日目 2014/9/7(日)
授業一日目。
朝、9時に青年センター(NORIKO学級とは別の施設)へ入り、授業の準備をはじめた。
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中で待っていると、3、4人の子供達が来たので、その子たちに向けてゆるゆると授業をはじめた。
授業と言っても私が考えたのは、自分の旅のベストショットの写真をプロジェクターへ映しながら話をするというものだった。

東チベットの写真。中国の写真。日本の写真も交えながら、ポツポツと話をした。
するとどうだろう。開始から10分ほど経過すると、子供達が1人また1人と教室の外へ出ていってしまうではないか。
きっと話にメリハリが無く、ダラダラとした話に飽きてしまったのだろう・・・。

 

最後はとうとう1人だけになってしまい、マンツーマン授業になってしまった。
こ・・・これでは授業とは言えない。。。
私はしっかりと内容を練らなかった事で、皆の為の授業が出来ずひどく落ち込んでしまった。
やはり、自分のような人間に先生など土台無理な話だったのだ。

気を取り直してとにかく遊ぶ

一通り説明を終えて、ため息をつきながら片付けをしていると、子供達が話しかけてきた。
「先生、サッカーしよう。サッカー!」
この施設の裏に小さなフットサルのコートがあった。

私も少しだけ混じってサッカーに興じた。
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サッカーが終わると、子供達は「先生、遊びに行こう!」と街を案内してくれた。

野菜が沢山売っているマーケットへ行ったり、服屋を巡ったり、卓球をしたり、アイスを食べたり。
落ち込んでいた私に、子供達は沢山の元気をくれた。
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そうだ明日こそはちゃんとした授業なければ。
その夜、私はまた頭を悩ませながら眠りについた。

つづく

(最終更新:2017年7月26日)
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