KENJI HIROTA PHOTOGRAPHY

房総半島カメラマン・ヒロタケンジ

悲鳴を上げる身体とパンプローナのバルの美味しいタパス【カミーノ2〜3日目】

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約6分


世界放浪2年の中で最も心を熱くさせてくれた、スペイン巡礼31日間の旅の記録2〜3日目です。
今後巡礼する人や興味がある人へ向けて、旅の参考になればと思います。

サンティアゴ巡礼ってなんなの?という人は、以下の記事をはじめにご覧くださいませ。
スペイン巡礼31日間!絶景・友情・感動の780キロを超えたサンティアゴ巡礼の費用と絶対に行くべき5つの理由
冬のスペイン巡礼-準備編・旅に必要な持ち物や情報

・本記事は、2015年1月~2月に旅した情報を元に作成しています

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サンティアゴ巡礼2日目の朝

サンティアゴ巡礼の初日の難関であるピレネー山脈を超えて、ロンセスバリェスのアルベルゲ(巡礼宿)に到着した。
とんでもない疲れから、寝袋に入ると泥のように眠りに落ちてしまった。(前回の続き)

次の目的地は、ロンセスバリェス(Roncesvalles)からズビリ(Zubiri)までの約21キロの道のりを歩く。

▼放浪398日目 2015/01/09(金)
ごそごそとした物音から目が覚めた。同部屋の巡礼者達が荷物をまとめている音だ。
もう少し寝ていたかったが、重い体を起こし出発の準備をしなければ。

昨日のピレネー山脈越えがかなり過酷であった為、今日はもう歩けないかと思っていたが起きてみると体に問題は無さそうだ。今日もいける。

朝ごはんを食べようとするも、レストランは閉まっていた。
初日に会った韓国人3人組と出発した。
はじめは談笑しながら歩くものの、ペースの遅い私はすぐに一人になってしまう。

冬のヨーロッパは朝8時頃に日の出がはじまるので、幻想的な空を見れる事が多い。
この日もゆっくり歩きながら、カラフルに交わりながら変わる色を楽しんだ。

どこへ行くとも知らない道を一人で黙々と歩く。これぞ旅だなぁという気分に浸る。

静かな森の道を歩く。
ヨーロッパの田舎を歩いてみたかったので、満ちた気分である。

日の出と共に気温が上昇し、溶けた氷が水滴となってキラキラと輝いている。

歩き始めて2時間。6.4キロ地点のエスピナル[Espinal]に到着した。
白壁とオレンジ色の屋根の家が美しく並んでいる。

街にベンチやカフェなどがあり、ほっとして脱力してしまう。
休憩できる場所がありがたい。

街を出てまたしても森の中へ進む。
カミーノの道は、時折現れる看板の矢印に従って歩けば迷う事は無い。

目的地のズビリに到着

17時。9時間歩いてようやくズビリに到着した。
まだ日が沈まない明るい時間帯に着いてとても嬉しい。

レトロな橋の側にあるアルベルゲ『Albergue Río Arga』にチェックインした。
清潔な部屋と広いキッチンは、長く歩いてきた旅人を暖かく包んでくれるようであった。

宿にいた仲間達と食材を買い、素敵なキッチンで料理を作りみんなで食べた。
韓国人3人とアイルランド人で、パスタや生ハムなどを食べる。
運動した後は何を食べてもうまい。

今晩も、飲めないお酒で乾杯をした。渋く、酸っぱい味がした。
共に食事をしたアイルランド人の言動に圧迫感を感じて、苦手なタイプである。お酒を無理に勧めようとする事もあり、ビシッと断る事も必要だ。

今日は割と余裕を持って歩く事が出来た。
20時前には食事を済ませて片付けまで完了してしまう完璧さ。

吸い込まれるように眠りに落ちていった。

巡礼2日目データ
歩行距離・・・・・・21.5キロ(残り734キロ)
使ったお金・・・・・24.5ユーロ(宿15ユーロ、食9.5ユーロ)

サンティアゴ巡礼3日目の朝

▼放浪399日目 2015/01/10(土)
風情のある素敵な街で、もっと滞在したいなと思わせるズビリ。
しかし巡礼宿は基本的に連泊は許されていないため、滞在したくとも強制的にチェックアウトをされる。

この日は、ここズビリ(zubiri)から大都市パンプローナ(Pamplona)までの21キロ。

霧に包まれた村を横目に、朝8時過ぎに出発。






美しい森や草原を抜けると、急に小洒落た街が現れた。目的地のパンプローナが近い。いやもはやパンプローナか。

歩く事7時間。15時頃にパンプローナに到着した。
思った以上に大都市である。スペイン牛追い祭りの舞台となっている街である。

ヘトヘトになりながら宿の前へ行くと、ガラス戸の向こうにジェームスとサンティアゴがウェイウェイしていた。
特にサンティアゴは初日に会って以来なので、久しぶりの再会がうれしい。

宿泊した宿は「Albergue casa ibarrola(Booking.com)
無駄な装飾の無い、近未来的な部屋の作りがカッコイイ。
少々狭いが清潔な宿で、とても居心地が良かった。

パンプローナの街歩き

体はクタクタだけど、久しぶりに都会に入れたことや、皆と再会できたことで元気が出てきた。
休んでいては勿体無いので、荷物を置いてパンプローナの街を徘徊した。

ずっと田舎町を歩いていたので、急に大都会の景色にギャップがあり戸惑う。なんて洒落ている街なのだ。


ブラブラ街歩きをしていると、偶然皆と再会した。
これからバル(食堂兼居酒屋みたいなもの)へ行くということでご一緒する。

お酒が好きでは無い私は「飲み会かぁ・・。」という下がり気味の気持ちで皆についていった。

バルはワインとセットでタパス(小皿料理)をオーダーする事ができる。
この種類がたくさんあり、選ぶのが大変である。

私はキッシュのようなものを食べた。白ワインとセットで3ユーロ(435円)ほど。うまい。

アイルランド人にしこたまワインを飲まされてしまい、ベロベロになってしまった。

父の遺伝的にアルコール分解能力の低い私であるが、ここ連日お酒を飲んでいる。
ワインの値段が安いという事と、過酷が1日が終わったという開放感からついつい飲んでしまい酩酊状態になる。

もう一泊くらいパンプローナに滞在したいなと思いつつ、翌朝に向けて早めに眠る事にした。
まだまだ先は長い。

つづく

>>次の旅日記を見る

巡礼3日目データ
歩行距離・・・・・・21.7キロ(残り712.3キロ)
使ったお金・・・・・24.5ユーロ(宿15ユーロ、食10.95ユーロ)

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