KENJI HIROTA PHOTOGRAPHY

房総半島カメラマン・ヒロタケンジ

【バハレイヤオアシス砂漠ツアー1泊2日】2年の旅で屈指の絶景-エジプト「黒砂漠」と「白砂漠」

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約7分


世界放浪の旅をはじめて、1年と4ヶ月。
エジプトの楽園格安リゾート地ダハブで1カ月過ごし、首都カイロへ移動した。

長旅が続き、心身共に疲れていた私は、王道のピラミッド観光に満足できず、
その翌日、日本から来た友人と共に「バハレイヤオアシスツアー」へ申し込むことになった。

砂漠の上で眠り、翌朝砂丘を駆け上って見た朝日は、この旅で屈指の絶景であった。

・本記事は、2015年5月に旅した情報を元に作成しています

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日本人宿・ベニス細川でツアーの申し込み

ピラミッド観光を無気力に終えた私は、日本から来たゴールデンウィーク休暇中の友人カトちゃんと共に、バハレイヤオアシスツアーへ申し込むことになった。

このツアーは、ピラミッド観光の次に定番のツアーらしく評判も良い。
1泊2日の食事付きで、540ポンド(¥8,600)という低価格も決めた1つの理由である。

ツアーはカイロの定番の日本人宿「ベニス細川家」で申し込んだ。
日本人の集まる宿としても有名で、情報も集めやすくオススメの宿である。
👉ベニス細川家(Booking.com)

バハレイヤ・オアシスツアーへ出発

▼放浪512日目 2015/5/3(日)
ツアー当日の朝、バハレイヤオアシスの中継地点である、「バウーティ村」まで移動する。
安いツアーを選んだ為、公共バスを使い自力で行く必要がある。

8時頃出発。荒涼とした大地を走り抜けると、約2時間ほどでバスは止まり休憩に入った。

エジプト人の主食「アエーシ」を食べるエジプシャン

お昼ごろ「バウーティ村」に到着。
日差しは強いが湿気はなく、不快感がない。

この村にも格安ホテル(¥1,000〜¥3,000)が多数存在している。
バックパッカーは、ここでゆっくり一泊して、現地ツアーで行くのもありだろう。


Booking.com

ボロボロのジープへ乗り換えて昼食を済ませた後、ここからいよいよ砂漠ツアーがはじまる。

エジプトの国土90%を占める砂漠に、切り裂くように走る道。
この一体の砂漠は、サハラ砂漠の北東部分に位置する場所で、リビア砂漠・西方砂漠とも呼ばれる。

火山噴火の玄武岩散らばる「黒砂漠」

15時ごろ、最初の観光地「黒砂漠」に到着した。
絵の具を塗りつぶしたような青い空と、荒涼とした大地。

もっと真っ黒に焦げた、火山灰的な砂漠を想像したが、ガスバーナーで表面をこんがり焼いたような黒さ。
見える範囲にある砂丘は、その足で登る事ができる。

砂丘を登り始めると、見た目よりも急坂で想像を超えて高所。
上から見る黒砂漠の眺望から、どこまでも続く果てしない地平線を見る事ができた。
車と人があんなにも小さくなっている。

黒砂漠で黒く見える石は、かつて噴火した火山岩(玄武岩)。
別の惑星にきたような景色。

きらめく宝の山「クリスタルマウンテン」

黒砂漠から移動して、「クリスタルマウンテン」へ。
ツアーなので全てはガイドに従うのみ。
楽であると感じる一方で、時間と場所の制約は致し方ない。

周辺の岩を見ると、方解石の結晶が岩肌にびっしりと見る事ができる。
「うおお!宝の山だ!」と興奮する事なく、さらりと確認して次のスポットへ向かう。

かつては海の底に。白銀に輝く「白砂漠」

次の目的地、白砂漠へ向かう車窓から、徐々に景色が変化してきた。

白砂漠に到着。
ここでは白く幻想的な景色と、風で侵食された奇岩の絶景を見る事ができる。

白い岩は石灰岩の塊。サンゴや貝類の死骸が積もり固まったもの。
かつて、ここは海の底であったことを物語っている。

リビア砂漠(西方砂漠)の夕日

白砂漠を後にした我々は、今晩の宿泊場所へと移動する。
通常は白砂漠で宿泊するらしいが、この一帯の治安が不安定らしく、黒砂漠方面での宿泊に変更されたようだ。

砂丘の道を走る。遮るものが何もなく美しい。

砂漠の星空の下で野営(キャンプ)

このツアーの醍醐味の1つ、砂漠の星空の下で一泊するというイベントがある。

火を焚いたり食事の用意、寝床の準備など、すべてドライバー兼ガイドが用意してくれる。

その間、焚き火をしながら、過去と未来に思いを馳せる。

旅に出て1年を超えていた私は、移動に疲れ果てていた。
これからアフリカ大陸を南下する気力がどうしても起こらない。

特に780kmを歩いたスペイン巡礼の旅でほとんどの体力と気力を使い果たし、
燃え尽き症候群のような状態になっていた。
どこへ行っても無感動になった男が、これ以上の惰性の旅に何の意味があるのだろうか。

砂漠で一夜明けた朝

▼放浪513日目 2015/5/4(月)
朝5時。空が明るくなりはじめた時、自然と目が覚めた。

東の空を見ると、まだ夜明けには時間があるようだった。
急いで行けば、日の出が見れるかもしれない。

見晴らしの良い場所へ急ごうと、カメラを持って大きな砂丘を目指した。

近づくと、意外なほどに急な砂丘。
途中砂に足を取られて、サンダルが脱げ落ちてしまう。
ええい、と裸足になり、砂丘を駆け上がり、振り返ると乗ってきたジープがあんなにも小さい。

息を切らし砂丘の頂上に到着した。
なんとか日が出る前に、間に合った。

日の出前ではあるが、もうかなりの絶景が繰り広げられていて興奮が冷めやらない。

5時半頃、ついに日が昇りだす。

 

東の空から光が差し込みはじめ、砂丘に陰影がつき立体的になっていく。
黒い岩の力強さと、なめらかな砂丘が混じり合った、異世界の絶景を見る事ができた。


バハレイヤオアシスツアーの終わり

すばらしい朝日を見れて満足した私は、砂丘を駆け下りた。

日が高くなり、ジリジリと焼けるような陽射しになってきた。
車へ戻るとツアーガイドが後片付けをはじめていた。

砂漠から村へと戻る。
バハレイヤツアーが終わりを告げた。

バハレイヤツアーを振り返る

エジプトという国は、アフリカ大陸の北に位置していて、
アラブや中東の文化が強く、さあいよいよ南下してアフリカの旅がはじまる、という時期であった。

長旅で疲れ果てていた私は、過酷なイメージの強いアフリカの旅を前にして、まったく気持ちが前に進まなかった。
そんな中で参加した、このバハレイヤオアシスツアーは、旅の感動と喜びを呼び起こしてくれるような体験となった。

大自然を前にすれば、また旅の情熱を取り戻せるのだ。

と言いながら、このツアーが終わると、また動きが鈍くなる。
またしても楽園ダハブへ戻り、1ヶ月ほど沈没する事になるのだが、それはまた別の話。

エジプトの旅はつづく

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