KENJI HIROTA PHOTOGRAPHY

房総半島カメラマン・ヒロタケンジ

【鋸山・関東ふれあいの道コース】393段の階段と放置されたツリーハウスのある登山道

26218 views
約7分


鋸山の登山ルート全部登ろうシリーズ」第五弾、「関東ふれあいの道」コース。

登り始めの、393段ある地獄のような階段や、立派なツリーハウス。
東京湾の絶景。石切り場のスポットなどの観光ができる。
比較的短時間で登る事ができるが、階段の連続で体力的に負荷の高いルートである。

■ 鋸山の8つの登山ルートについて、以下の一覧をご確認ください。

登山道 備考
鋸山ロープウェーコース  初心者向け。片道五分で山頂へいける。
関東ふれあいの道コース  片道40分のハイキングコース。
車力道コース  一番おすすめ。見所をほとんど網羅できる。
石の階段コース  渋い登山コース。マニアック向け。
安兵衛井戸と沢 コース  上級者向け。未整備の登山道。
アドベンチャー コース
林道コース  メインの観光ルートと外れた登山道。
大沢水仙の里 コース

※鋸山の全体の観光の特徴については、以下の記事にまとめました。
👉【のこぎりやま観光-完全ガイド】『鋸山』を30回以上登頂した現地民が後悔しない楽しみ方をまとめてみた。「ラピュタの壁」「地獄のぞき」と温泉・グルメを巡る【千葉の秘境】

鋸山のトイレについては以下
👉【鋸山のトイレまとめ】浜金谷・日本寺・ロープウェイ周辺のお手洗い場所全部

[PR]





「関東ふれあいの道」コースの概要

今回ご紹介するルートは「関東ふれいの道」コース。
浜金谷駅をスタートして、観月台・車力道・鋸山山頂・林道口を通り、保田駅がゴール。
(※日本寺や地獄のぞきは通りません)

他の登山道とルートが重複する関係で、冒頭の一部のコースをご紹介します。

「関東ふれあいの道」とは何か

「関東ふれあいの道」は正式名首都圏自然歩道
一都六県をぐるりと一周するように1800キロもの距離がある、環境省が定めた自然と歴史を味わえる散歩道。

千葉だけでも29のコースがあり、鋸山はその中の26番目の「東京湾を望むみち」コースに含まれている。

千葉県コースマップ(千葉県庁HPより)

鋸山登山道へ進む

さて実際に登山道を歩いてみる。
浜金谷駅から鋸山登山道へと向かい、町中の肉屋の角を曲がり、線路の下をくぐる。

しばらく林道を進むと、分岐路と山道へ向かう階段が現れる。
この階段が登山道の入り口である。

駅から登山道までのルートは以下の記事に記載しているので、参照されたい。
👉 【鋸山ハイキング-車力道ルート編】車力道から山頂展望台-日本寺の大仏から保田海岸へ

関東ふれあいの道コース

最初の長く激しい階段

最初にして最大の難所が、10分ほど続く長い階段。

えげつない程に、長く長く続く。393段もある。

一つ目の休憩ポイントとおすすめの眺望

393段の階段を登りきると、少し開けたベンチのある場所に到達する。

ここからの浜金谷の街並みと、東京湾の景色が結構好きだ。
高さと角度が絶妙で、絵的に素晴らしい撮影スポット。

金谷が一望出来る景色「観月台」

階段が終わると、ゴツゴツした山道が現れる。

山道を超えると、また開けた場所に出る。「観月台」というスポット。

第一休憩スポットと、ほとんど変わらない景色だが、より標高の上がった景色をみることが出来る。
遠くに久里浜港、三浦半島、伊豆半島、天気がよければ富士山を見ることが出来る。

観月台は「京浜急行グラウンド」という公園だった

観月台に大きな石碑を発見した。
「京浜急行グラウンド」と書かれている。

昭和27年3月31日に作られた石碑には、このような事が書かれていた。

「京浜急行グラウンド之記」 (要約)美しい鋸山一帯の景色は、湘南からのアクセスも容易で、これから沢山の観光客がくる見込みがある。
金谷村も観光に力を入れている中、京浜急行電鉄株式会社の絶大な援助のおかげで「京浜グラウンド」開園の運びとなった。
村民のみならず千葉県民の誇りと言える。感謝の意とともにここに記念する。昭和27年3月21日
千葉県君津郡
金谷村長 島津良男
前 村長 島津誠
観光協会長 黒川政次郎
助役副会長 鈴木富美雄

昭和37年に鋸山ロープウェーの開通で利用者が激減し、廃園となったようです。

2013年訪問時は、屋根付きの休憩場だったのです。

当時のパンフレットなどが掲載されているブログを見つけました。趣がある。
👉鋸山 京浜急行グラウンド(昭和的心の遺産を求めて・・・)

二つの大きなツリーハウスと小林崇さん

観月台の先を進み階段をくだると、左手に開けた場所が現れる。
ここもかつての京浜急行グラウンドの敷地と思われるが、現在は「あじさい広場」となっている。

「地元金谷小学校」の文字があるが、2019年度で廃校する。

このあじさい広場をくだった奥に、大きなツリーハウスを見る事が出来る。
2015年、金谷で町おこしをしていた団体「kanaya BASE」を利用していた、ツリーハウスクリエーター小林崇さんが中心となり作られたもの。
参考リンク👉【最終回】ツリーハウスつくろう(10) ~小林 崇さんに学ぶ、ツリーハウスはじめの一歩~

作られてから4年ほど経過していて、恐らくメンテナンスされていないと思われるが、
老朽化や腐食のない堅牢な作りを保っていることに驚く。

小林崇さんが気になり、ネットで検索していると素敵な記事を見つけた。

「地に足をつけたほうがいい。」
よく、そう言うけど。
ツリーハウスっていうのは、地に足がつかないからいいんだよ。
だからこそ、見える景色もあるし、感じられる風もあるしね。


もちろん、父として、母としてだったり、仕事上での責任とか、
いろいろ立場もあるだろうけどさ。

立場とかじゃない、
「生き物としての自分」。
たまには、それを感じられたらいいなと思うね。

「ツリーハウスは、自由の象徴」 ツリーハウス・クリエイター小林崇氏が語る、木の上から見える景色より

自然の風に吹かれるまま、運ばれるままに人生を楽しんでいるような、そんな大らかな雰囲気を感じる。
素敵な人だ。

登山道で唯一のトイレスポット

あじさい広場の登山道側に、水洗トイレが設置してある。
匂いもなく、掃除が行き届いていた。

石切場の観光スポット

あじさい広場を後にして、さらに奥へと進む。

上に行くにつれて、石段の角がとれてなめらかになってくる。
切った石を滑らせるように運んでいたので、滑らかになったと考えられる。

登山道をしばらく進むと、大きく開けた休憩所に出る。

そのまま右手の坂を上がると、
樋道(といみち)跡という、観光スポットにたどり着く。

山頂から切り出した大きな石は、「樋道(といみち)」、という石の滑り台に乗せて山腹まで運んでいた。
石段が並ぶようにあり、人がここから石を押さえながら石材を運んでいた。
その跡を見る事ができる。

日本寺との分岐に到着

登山道の入り口から30分ほど、日本寺と関東ふれあいの道コースの分岐点に到達。
ここで本記事の案内は終わる。

以降のルートは車力道コースと重複する内容なので、以下の記事を参照ください。
👉【鋸山ハイキング-車力道ルート編】車力道から山頂展望台-日本寺の大仏から保田海岸へ

鋸山登山・関東ふれあいの道コース

という事で短く「関東ふれあいの道」コースを紹介させて頂きました。
こんな人におすすめです。

最短距離で山頂登山したい人 →辛いけど片道50分程で山頂へ
体を酷使したい人 →最初の階段で足ガクガクになれます
ツリーハウスをみたい人 →立派な二つのツリーハウスが見れます

以上で、鋸山「関東ふれあいの道」コースの紹介を終わります。
お読みいただきありがとうございました!

[PR]