KENJI HIROTA PHOTOGRAPHY

房総半島カメラマン・ヒロタケンジ

ミャンマー・ピイにある奇妙で大きなメガネ大仏

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約6分

▼放浪105日目 2014/3/22(土)
「ピイ」行きのチケットを4500チャット(450円)で購入し、ヤンゴンのスレーパヤー前、43番のバス停から北バスターミナルへ向かう。600チャット(60円)。
北バスターミナルから、お昼過ぎに出発したバスは6時間程ゆられ、日が沈み切った夜更け「ピイ」という街に着いた。
ピイ(Pyay)(ピエ、ピヤとも言う?)はミャンマーの西側に位置し、南にヤンゴン、北にはバガンがある。

ヤンゴンから北のバガンへ直接行く事も出来たが、「その国の良さは田舎にこそ滲み出るものだ」という自論の元、寄ってみることにした。

既に辺りは暗いので、この日は早々に就寝する。

宿泊した宿は「アウンガパーゲストハウス(Aungapa Guest House)」お勧め度★★☆☆☆
部屋もバスルームも清潔で素晴らしいが、朝食がパンとコーヒーとバナナのみで物足りなかった。
値段が一泊15000チャット(1,500円)は高すぎるが、現在のミャンマーでは平均的な値段。
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▼放浪106日目 2014/3/23(日)
宿で自転車を借りてピイ周辺を観光する。

サドルにお尻を乗せると突き刺さるような感覚があり、見ると釘のような突起物がある。
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これに乗るのかぁ・・・。と呟き、突き刺さる突起物に耐えながら、自転車を南へと進める。

天気が良く、緑は冴えわたり、風が気持ちいい。
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途中横の川沿いで船の積み下ろしをしているので覗いてみる。
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写真を撮っていると、子供達が寄ってきた。なんて人懐っこい子供達。
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おっさんも声を掛けてきた。なんて人懐っこいおっさん。
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途中でパゴダに寄る。
ミャンマーにはこの後ろ髪の長い、眉を細めたイノキさんみたいな顔をした像を至る所で見かける。
聖人らしく、人々に崇められているようである。
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更に自転車を進め、今回の目的地のメガネ大仏に出会った。
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以前の職場に似た人が居たなぁと思いながら、思い出を回想しつつも休憩する。

お尻も相当痛いので、宿に戻り街を歩く。
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ピイは想像していたよりも都会で、正直なかなか興味が湧いてこない。
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中心にあるパゴダへ登る。
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ふむふむ、そうかなるほど、これがピイですね。と思いながら、宿へ戻って眠りについた。

 

▼放浪107日目 2014/3/24(月)
朝ピイの観光は十分だな、と思いバガン行きのチケット(15,000チャット(1,500円))を買うと出発は夕方17時であった。
まだピイで時間を過ごさなければならない。

もっと早くバガンへ行きたいのだが、と呟きながら外を歩く。

まずは腹ごしらえにとレストランに入る。
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魚カレーを頼むと、大皿に盛られた野菜群と沢山の小鉢に入れられたおかずが出てきた。
中にはトマトカレーもある。魚カレーを頼んだのに。
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カレーと名はついているが、「魚の油煮」である。
ルーが油っぽいというか油そのもので、魚の身は骨まで軟らかくよく煮込まれていて、そのまま食べる事が出来た。

他の小鉢も、中には辛い味付けで食べれない物もあったが、概ねおいしく食べる事が出来た。
ご飯もお替わり自由で、2500チャット(250円)。ミャンマーではこの料理を「ヒン」と言う。
これぞミャンマー料理、というのを食した気がした。
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街の東から北へ歩いていると、ふと懐かしい空気に包まれた気がした。

昔の日本のような、自分が幼少の頃に見たような景色がそこにあった。
昭和の東京、下町の港に近い町の雰囲気である。
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懐かしい景色に会うと、胸の奥がジワーっと暖かくなる。
タイムスリップしたような錯覚に陥る。
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懐かしみながら歩ていると、声を掛けられ呼び止められた。

振り向くと優しそうな家族が居て、手招きをして座れと言っている。
私は躊躇なくテーブルに着き、お茶をご馳走になった。
名前や年齢、どこから来て、どこへ行くかなど、話す内容はありきたりでも、なんとも楽しい気持ちになる。

お茶のつまみを勧められた。
ペースト状の茶葉を発酵させた深緑のものに、揚げたピーナッツが添えてあり、スプーンで和えて食べろとすすめらる。
口に入れると、発酵食独特の鼻に抜ける臭みがあり、反射的に顔をしかめてしまった。

しかし、ご馳走になっている身分の為「お!お~お~、おおお!ん!?ん~!?」と笑顔で誤魔化しおいしいおいしいと嘘をついた。

奥さんが、成らばもっと食べろもっと食べろと勧めて来た。
おいしいと言った手前、もう一口食べる。
やはり茶葉の臭みが鼻に抜ける。く、くっせー!

体が拒絶反応をしているのをわかりつつ、お茶で無理やり胃に流し込んだ。

奥さんはもっと、もっと、と勧めるので、いやもうお腹一杯だ、と強めに丁重に断った。
ミャンマー人はお茶請けで良く食べるらしい。名前を「ラペットゥ」と言う。

最後に写真を撮らせてもらう。
とてもほんわかした素敵な家族であった。
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更に北へ歩くと川が見え、橋が出てきた。
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木製で所々板が割れていて下の川が見える程スカスカだが、頑丈な造りで車も通っている。
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街から離れ村を歩いていると、常に視線を向けられる。

後ろから私を追い抜いて振り向いてまでジロリと視線をくれる人も居る。
その視線は決して逸らす事が無く、ジーーと見られる。

その時は、満面の笑みで「ミンガラーパー!(こんにちはー!)」と返す。

すると相手も固い表情が笑顔に変わり、挨拶を返してくれる。

挨拶は基本だという事がよくわかる。

自分はこの国に「お邪魔している」という感覚を忘れてはいけない。
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見晴らしの良い道を気持ちよく歩いていると、遠く左の空き地から犬が土手をかけ登って行くのが見えた。
何だろうかと思い見ていると、土手の上には私が進もうとしている道があり、犬はそこで立ち止まりこちらに向かって大きく吠えだした。
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なるほど、わざわざ私を吠える為に遠くから土手を駆け上ってきたという訳か。

犬は近づけば近づくほど大きく吠えだした。

帰り道なのにこれ以上進めない。

だが舐められてばかりもいられないと、武器になる棒は無いかと辺りを探してみる。

後ろを振り向くと、土手沿いに木造の家があり、4人の家族が私の様子を見ていた。

家の脇に小さな横道があり、指をさして「そこへ行った方がいいかな?」と聞くとお父さんは首を縦にし大きくうなずいた。
「そうしなさい。」と。
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逃げた方が良いという事か。

意を決してダッシュで横道を駆け降りると、それを見て吠えながら追いかけて来る犬の気配があった。
何故こんな逃げ回らなければならないのかと思いながら5分程走ると、犬の鳴き声は消えていき、逃げ切る事が出来たようだった。

もう犬は嫌いだ。

 

夕方、時間になると東にあるバスターミナルでバガン行きの夜行に乗った。

懐かしい景色に出会えた事、あの家族と話せた事、犬に追いかけられた事。
それだけでも、ピイに来れて良かったと思えた。

つづく

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コメント一覧

  • Comments ( 2 )
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  1. メガネをかけた大仏・・ メガネをすると一気に大阪あたりのおばちゃんぽい感じになる!?
    ネットで今調べたら眼病を治すと言われているそうな。 有り難い神様だったのか 失礼しました

    • ようますさん。
      なんかはじめは遊び?というか人集めを目的にメガネかけさせたらご利益がでちゃって評判になったのなんだの。
      有り難い大仏様なので失礼のないように!