世界放浪2年の旅の冒頭。
東南アジアを旅していた私は、カンボジアから国境を越えてラオスへ入国する。
4000の島と呼ばれる、シーパンドン。
水辺に並ぶバンガローとハンモック。ゆったりとした時間。美しい夕日。
楽園の条件が揃っているにも関わらず、私の心は焦りがあった。
はじめてラオスに入国した、旅行記である。
・本記事は、2014年1月に旅した情報を元に作成しています
カンボジアからラオスへ入国
▼放浪47日目 2014/1/23(木)
カンボジアからラオスへ国境を超える日。
ここはカンボジアの北部にある川沿いの街、ストゥトゥレン。
街の中心にあるリバーサイドゲストハウスで、次の目的地「ドンデット島」行きのバスチケットを16ドルで購入した。
インターネットの情報では13ドルだったが値上げしたのか、ボラれたのだろうか。
朝9時にワゴン車が到着し、車内は韓国人2人とその他は欧米人ばかりであった。
8人乗りの車に11人を無理やり詰め込む形となり、体の大きな欧米人は足の置き場に苦労して窮屈そうであった。
この時ばかりは小さな東洋人で良かったと思う。
カンボジアからラオスへ陸路国境超え
バスを出発してから約1時間程走らせてラオスの国境に入った。
欧米人は入国にビザの発行が必要で、20ドルや30ドルを支払っていた。
日本人は15日以内であればビザは不要である為、支払いは発生しなかった。
国によって、ビザが必要だったり不要だったりするようだ。
ここで「日本人はフリーだ」と言えばブーイングされるだろう。
しかし手数料なのかなんなのか、イミグレーションで5ドルを請求されて支払ってしまった。よくわからない。
待合室の食堂では、やたらとテンションの高い服装の派手な60代くらいのスキンヘッドのスコットランド人が目についた。
コミュ力が高く、色んな人に話しかけている。
時折おどけては大声でふざけたり、笑ったりしている。
テンションの高い人間は苦手だ。
国境に着いて出国と入国の用紙に必要事項を記入し、パスポートを運転手に渡すと、まとめて手続きをしてくれた。手続き中、する事も無く、ただボンヤリと待ち続けると、1時間半程でラオスヘ入国する事が出来た。
国境を越えると大きなバスへ乗り換えろとの事で大きな荷物を背負い移動した。しかし30分経っても出発しない。
運転手はカンボジア人からラオス人に変わり、ペチャクチャと談笑している。
同乗の欧米人達も「何待ち」かわかっていなかった。
私は事前に調べていたラオス語で話しかけてみた。
「ユイ、ヤァック、パイ、ドンコーン」(ドンコーンに行きたいのだが)
いつ出発するか腕時計を指差すジェスチャーでをしてみると、40分後だという。
あい、わかった。
バス内に両替屋が来てUSドルをラオス通貨の「キープ」に変えた。
40ドルを30万キープに両替をしたが、2万キープ(260円)程切り捨てられてしまった。手数料だろうか。まあ良いか。
それにしてもまだ出発しない。
既に国境に2時間は居る事になる。いつまで待たせるのだろうか。
小さなボートへ(シーパンドンの行き方)
12時40分、ラオスの国境からバスが動き出した。
運転手は40分後と言ったのではなく、12時40分に出るという事だったのだろうか。
ようやくバスは川沿いのナカサン村で止まった。
バスを降りると皆が一斉に南へ歩き出したので、よくわからないがひとまずついて行く事にした。
5分程歩くと、船着き場にたどり着いた。
皆チケットを6ドルで買っていたが、私は船の値段込みのバスチケットを買っていた為スルーで入る。
荷物と共に小さな小舟に乗り込んだ。
ボートは旅の気分を盛り上げてくれるようで、気分が高揚する。
10分ほどで島に到着した。
ここはラオスの南に位置する「シーパンドン(4000の島)」の中の南にある、「ドンデット島」である。
船着き場付近には商店ツアーの案内、ゲストハウスやレストランが軒を連ねていた。
私はドンデット島は酒飲みの欧米人が多く賑やかだなと感じ、さらに南にあるドンコン島へ移動する事にした。
シーパンドンのゲストハウス「Khao Paeng Guesthouse」
何もない道を1時間程歩き小さな石橋を渡り、ドンコーン島へたどりついた。
6件ほど見て回り、一番安い宿(バンガロー)を見つけ泊まる事にした。
宿泊した宿は「カオ ペーン ゲストハウス」。この周辺では一番安いのでは無いだろうか。
バンガロー形式でベランダにはハンモックが付き、wifiもある。なんと贅沢であろうか。おすすめである。
※宿情報と予約はこちら→「Khao Paeng Guesthouse」
ぶらぶらとドンコーン島を歩く。
特に何もない島であるが、夕日の印象的な美しい島である。
働いている人々への罪悪感
▼放浪48日目 2014/1/24(金)
朝目覚めると、体の節々の痛みに気づいた。
そして激しい倦怠感に見舞われていた。シャワーも浴びたかったのと、午後に自転車で観光をする予定であったが、身体の警告に従い安静にすることにした。
夕方、栄養は取らねばと外へ出た。散歩をしながら思う。
こんな楽園は日ごろ仕事で頑張っている人が癒されにくる場所である。
自分のようなフラフラした遊び人が来る場所ではないかもしれない。
食事をしにふらりと寄ったレストランなど、完全にリゾートである。
ドンデット、ドンコン島は素晴らしい場所ではあるが、自分自身どこか場違いなところへ来てしまったようだ。
ハンモックで優雅に揺られていると、こんなことしてたらイケナイ!だめだろ!ともう一人の自分が叫ぶようで。
私は、優雅にハンモックに揺られる為に旅をしに来たのではない。
まだ見ぬ国の文化や景色の写真を撮り、舐めきった自分の精神を叩き直すために、この旅をはじめたのだ。
はやいところ、次の目的地へ行かねば。
・・・とはいえ、体調がすこぶる悪い。
吐き気のような、眩暈のような状態で気分が悪く、食欲が湧かない。
少しずつ麺類を食べ終え、フラフラになりながら宿へ戻った。ブログを書いて早く寝てしまおう。
明日は復活出来るだろうか。
つづく