KENJI HIROTA PHOTOGRAPHY

世界放浪２年の序盤。
東南アジアを旅していた私は、カンボジアからラオスに入国し、ヴァンビエンにたどり着いた。

山々に囲まれ、美しい川が流れ、心安らげる風景。
一方で欧米人やハメを外した日本人も数多くみられ、私の心は落ち着かなかった。

そんなラオス屈指の観光地、ヴァンビエンの旅行記である。

ビエンチャンからヴァンビエンへバス移動

▼放浪61日目 2014/2/6 (木)
ラオスの首都ビエンチャンから２～３時間程バスに揺られ、お昼過ぎの早い時間にヴァンビエンに着いた。
バスチケットは、４万キープ（¥520）。

ヴァンビエンの安宿探し

夜までたっぷり時間があった為、ゆっくりと宿さがしをすることにした。
通りすがりのハンバーガ屋さんの日本の人にアドバイスを貰いながら10件程周り、「DOKBOUA GUEST HOUSE」に決めた。
宿のおばちゃんは英語が通じなかったが、部屋は清潔でホットシャワーが着いて、Wifiもあり40000キープ(510円程)であった。
ヴァンビエン全体としてどの宿も綺麗で割と安い印象である。
ヴァンビエンの安宿マップ


Booking.com

騒がしいと思われたヴァンビエンの街並み

宿も決まり、街を歩く。
ラオスの私の勝手なイメージで、その中で特にヴァンビエンは薬物が氾濫しているイメージが強い。
しかし行ってみると目につく程の事ではなかった。

もちろん欧米人が道路で奇声を上げている光景はあったが、酔っ払っているだけにも見える。

そもそも私がお酒を飲まない為、繁華街へ行かないという事もあるだろう。
恐らく繁華街にある、バーやクラブには薬物が氾濫しているのかもしれない。

夜、宿の部屋の外からは爆音が響き渡っていた。
ここはまるでクラブかと思いながら眠りについた。

ヴァンビエン観光・ブルーラグーンへ

▼放浪62日目 2014/2/7 (金)
ラオスの北部は山道が多く、その移動の疲れもありしばらく街に滞在して体を休めたい気持ちがあったが、このヴァンビエンにはあまり長居したくないという思いがあった。

街は山々に囲まれ、川が流れ、風光明媚に溢れていて、一見居心地が良さそうだが、やはりノリの良い騒がしい観光客が多いのが難である。
街で日本人らしき観光客にも合ったが、目つきや雰囲気がおかしかったので話しかける事は無かった。

とはいえ、観光スポットを見逃すのは勿体ないという事で
自転車で北へにあるブルーラグーンという湖まで飛ばす事にした。
１～２時間程かけてデコボコで土埃舞う道を、炎天下の中こぎ続ける。

汗びっしょりになりお尻を痛めながらブルーラグーンに着くとそこにはやはり外国人環境客が（自分も同様だが）大勢いて、飛び込んだりワイワイと騒いでいた。

私は大勢の人がワイワイと楽しんでいる姿を見ると、途端にテンションが下がる難しい性格を持っている。
ブルーラグーンも例外ではなく、数分で引き返すことにした。
この先に名のある洞窟があるらしく、それを見逃してしまっていたのは残念である。

ラオス製の良質な手織り布

街へ戻る途中、路上で布生地を販売している家があった。

興味を惹かれ見ていると店の人に声を掛けられる。
ひとつ8万キープ（¥1,040）だとの事で、どうか5万キープ（¥650）にまけてくれとお願いすると、

「ダメよ！これ1枚つくるのに4日かかってるの！こっちへ来て写真を撮りなさい。私の手作りよ！」

と奥に入って作っている様子を見せてくれた。

なるほどこれは大変な作業だと思い、言われた通り８万キープで青い布を購入する事にした。
生地は少し透けるほど薄手で、でも丈夫で、暑い東南アジアで寝る時にシーツにしたり、上にかけたり、蚊除けに使ったりと後々役立たせてもらった。非常に良い買い物をした。

ヴァンビエン観光・深き暗き洞窟へ

しばらく自転車を走ると看板が見え、洞窟があるらしい。

その洞窟には１～３で番号が振られ、特に１は洞窟の手前に梯子があり、その奥にも天井裏に続く梯子があり特徴的であった。

天井裏に伸びる梯子の先は特に暗く、得も知れぬ恐怖感がこみ上げる。

天井裏の梯子を上った先の、真っ暗な奥も風が吹いていて、行けそうであったが引き返す事にした。

原因不明の恐怖に襲われたようだった。

ヴァンビエン観光・タムチェン洞窟（Tham Chang Cave）へ

洞窟を抜けたあと、夕方近くヴァンビエンの街を一望出来るというタムチェン洞窟へ行く。
ラオスには洞窟が沢山ある。

係員には閉店時間だとせかされながら、走って観光をし５分程でそうそうに引き返す。

洞窟の入り口から見える眺望は美しい。

橋を渡っていると右手に気球が見えた。

宿の近く、川の上、山の向うに沈む夕日も美しい。

ハンバーガー屋「Whopping Bugger」へ

夜は日本人の経営しているハンバーガ屋、「Whopping Bugger」へ
ご主人のノブさんは元バックパッカーで、このヴァンビエンの自然に惹かれて定住する事になったそうだ。
私にも様々な旅情報を教えてくれた。ハンバーガーもこれでもかという程に大きく、食べ応えがあり美味しかった。
（2019年、現在は閉店しているようです）

宿に戻り、またナイトクラブのダンサブルな爆音を聞き、うるせえなぁとつぶやきながら眠りについた。
こうしてヴァンビエンの観光を終えた。

ヴァンビエンを振り返る

のどかで大きな川。奥に見える山々。豊富にあるカフェ。
湖や洞窟など観光地もたくさんある。
街としてはとても素晴らしい街であるが、観光客の雰囲気が好きになれない。
酒を飲み、パーティーをして、葉っぱを吸い、騒ぐ集団が目について嫌になった。

とてもいい場所で好きな景色ばかりだったが、人々の雰囲気が合わず居られなかった、ヴァンビエンの旅であった。

つづく

ゆったり流れる旅時間ラオスへ

posted with ヨメレバ

中嶋友希 イカロス出版 2018年07月13日