世界放浪2年の序盤。東南アジアのミャンマーを旅していいた私は、バガンに降り立った。
私は以前から行きたいと切望していた、顔に刺青をする女性がいる民族が住む、チン州のミンダ村について調べていた。
そしてどうやら、ここバガンからツアーが出ているらしい。
本記事はチン州・ミンダ村への旅行記である。
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顔に刺青をする風習のある少数民族
ミャンマーに入国する前、インターネットで調べていた時に行きたいと思う場所があった。
西部の山奥にあるチン州という地域である。
女性が顔に入れ墨をする珍しい風習の残るチン族がいるが存在するという。
世界的にも珍しく、私はインターネットでその村人達の写真を見て心が跳ね上がった。
行く事が可能か調べると昨年2013年6月に、受理まで2か月はかかる入域許可証が不要になったとの記事を見た。
これはタイミングが良い。「呼ばれている」と感じ、もうその気持ちは止まらなかった。
私はヤンゴンにある2件の旅行会社を訪ね情報を集めた。
1件目の旅行会社では、チン州は今も入域許可証が必要で、申請手続きをしないと入れません。またのご来店お待ちしていますとの回答であった。
そんなはずはないと2件目を訪ねると、どこかに電話で確認した上で入域許可証は不要だとの回答であった。
やはり不要ではないか!
喜び勇み、いくら掛かるかを見積もって貰うと、ジープ代や宿代ガイド代を含めて800ドル(8万円以上)するとの回答であった。私は絶望した。出費は出せても5万円までと思っていたが予想を超える金額であった。
しかし友人のギシさんからの情報でバガンからツアーが出ていて、5万円程で行けると聞いていた。
その噂を確かめるべく、バガンに来て日本人宿ピンサルパゲストハウスの日本語ペラペラ、藤井フミヤ似(または城島リーダー似)のミャンマー人、通称フミヤに尋ねると、210ドル(2.1万円)で行けるとの事。
「イケル、イケルヨ、トモダチ電話して、スグダヨ!」
私は即決し、そして偶然にもバガンに居る旅友のせいちゃんの説得に成功し、いよいよ出発する運びと成った。
ミンダ村出発の朝
▼放浪111日目 2014/3/28(金)
朝、宿の前に大きなジープが止まり、出てきた運転手とガイドのような大男に挨拶をする。
私とせいちゃんは後部座席に乗り込み、見送りに来てくれていたピンサルパゲストハウスのフミヤに別れを告げチン州へと走り出した。
走る車から見るバガンの朝は幻想的で、眠気が覚める程の美しさであった。
3~4時間程走り、村の食堂にてご飯を食べる。
大鍋にいくつかの種類のおかずがあり選ぶことが出来た。じゃが芋と豚のカレーが美味しそうだったので頼んだ。
ところが、じゃが芋と思っていた白い物体は脂身の固まりであった。
うーんと首を傾げながら、胃もたれ激しくも全て平らげる。
シュポシュポマン
腹ごしらえも済みしばらく走ると、次第に未舗装路が目立ちはじめて砂利道が多くなる。それに伴い車体がガタガタと揺れ始める。
同時に山道に入り坂道も多くなってきていた。
坂道に入るとジープはパワー不足なのか途端に減速する。
減速をはじめると、ガイドと思わしき男が運転席と助手席の間にある機械を上から何度も手でシュポシュポと押しはじめた。
なんだこれ?と見ると「FUEL FILTER FOR NISSAN」と書かれている。
メイドインジャパンではないか。
後で調べると、これは燃料フィルターでガソリンの細かいゴミを除去するものらしい。
普通は車の下についているのに、何故か運転席の横についている。
常にシュポシュポしていないと車は走らない。自動車でなく手動車ではないか。
なんておんぼろジープだ!と笑ってしまった。
助手席の男はずっとシュポシュポしているので、「シュポシュポマン」と名付ける事にした。
検討違いの場所に到着
夕方近くに車が止まり、シュポシュポマンが話しかけてきた。
「今日はここに泊まる。」
「Pine Wood Villa」という名前のリゾートロッジのようだ。
そんなはずはなかった。フミヤの話では今日中に村に着いて少し観光が出来るはずだったからだ。
ここには村がある様子がない。ただの山の中だ。
ケンジ:「私はミンダ村に行きたい。今日中に行ってくれないか。」
シュポシュポマン:「いや、今日はもう夜遅くなるから無理だ。ここに泊まるしかない。」
ケンジ:「は?話と違う。ミンダ村へ行く約束だったはずだ。」
シュポシュポマン:「知らない。私はバガンの観光協会から言われて来ているだけだ。」
ケンジ:「(!!!)オーマイガッ!」
色々トラブルはあるかなと思っていたが、やはり起こってしまった。
恐らく、登山~ミンダ村2泊3日コースがバガン観光協会にあって、手違いでそのプランで話が進んでしまったのだろうと、せいちゃんと推測した。
戻る事も進むことも出来ないので、この山小屋に宿泊する事にした。
宿代は一人25万チャット(2500円)と高いのがまた不満を蓄積させる一つでもあった。
ここはビクトリア山
どうやらここは、「ビクトリア山」という観光地らしい。
検討違いの場所ではあるが、周辺の山道の景色はとても楽しかった。
ここは国立公園になっていて、固有の鳥が生息しているらしかった。
宿で出るご飯は、これまでで一番美味しいと感じるミャンマー料理だった。
とはいえ明日、最悪村に着かなかい事も想定しなければな。と不安を抱えながらこの日は眠りについた。
つづく