KENJI HIROTA PHOTOGRAPHY

房総半島カメラマン・ヒロタケンジ

中国・広州の煌びやかに発展した街並みとKFCの奇妙な女

, …
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約8分

▼放浪184日目 2014/6/9(月)
SF映画アバターのような観光地、「張家界」を後にし広州行きの列車に乗り込む。
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中国に来て初めての寝台車両に乗る。

車両毎に駅員さんがおり、定期的に掃除をしていて以外に清潔だ。
切符が一番に売り切れるのも頷ける。
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夜行列車は旅のワクワクを掻き立ててくれる。

昼にぶっかけ飯を食べる。
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約12時間で広州にたどりつく予定だ。

特にやる事も無いので、タイの古本屋で買った英語の文法の教科書を読みながら、眠りについた。
・張家界→広州(寝台) 295元(4910円)

 
▼放浪185日目 2014/6/10(火)
朝、6時過ぎ広州駅にたどりついた。少し蒸し暑い。
寝台の寝心地がよかったのか目覚めは良好だ。
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ここ広州は半年前の旅のスタート地点である香港が目と鼻の先である。
日本も近いのでこのまま飛行機で帰ってしまおうかと思ってしまう。

広州に来た理由は、中国の滞在日数をクリア(ビザラン)する為。
もう一つは元陽で会ったガキさんに再会する為である。

朝、ガキさんの大学近くのケンタッキーで待ち合わせして再会を称えた。

私もまさか遠い広州まで戻るとは想像していなかったが、張家界まで来てしまうとこの広州→香港が一番近いビザランの場所なので、この道を選んだ。

 
大学構内にある、ガキさんのアパートにお邪魔した。
なかなか高層である。エレベータは無く階段を使うので足腰を鍛えられそうだ。
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値段は忘れてしまったが、かなり割安(5000円以下?)で借りる事が出来るらしい。
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荷物を置いて、外をブラブラとする。

学内のキャンパスはとても緑豊かで穏やかである。
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私は大卒では無いので、キャンパスライフに憧れが強いのだろう。

中庭では卒業式のような雰囲気で写真撮影をしているようだ。
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あるスペースには「日中ふれあいコーナー」というものがあり、語学を勉強したい学生が集まる広場が存在していた。

が、この時は誰もおられなかった。
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構内を出るとガキさんが布の街へ行こうと言う。

彼はとてもホスピタリティがのある人で、私を楽しませようという気持ちがあるのか、色々とお世話してくれる。
とてもありがたく、私は遠慮なくお世話になる。

「布の街」と言われてもピンと来なかった。
ところが行ってみるとその規模はとてつもない物であった。
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この大きな建物は映画館等が入っているただのデパートかと思いきや、全部布の建物だった。
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各階、小さな店舗ひしめき合って、もう全部布だ。
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窓の外の店舗も布で溢れている。
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世界中から買い付けにくるらしく、アラブ系の人の姿も見えた。

ここに世界中の布が集まっているのではないかと思えた。世界の布はよく知らないが。
中国の巨大さ、奥深さを感じれる場所であった。
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その後もガキさんは広州の最先端地区なども案内してくれた。
超超高層ビルがそびえ立つ。
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千葉県の幕張を思い出すが、広州の方がもっとビルは高い。
圧倒されるばかりである。
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ガキさん曰く上海はもっと凄いらしい。

清潔でスタイリッシュな雰囲気の地下鉄に乗る。
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都会的な場所に、日系企業の店が多いビルに入った。
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ビルの中には日本人向けのお店があった。

「海の幸のよろこびのためだけ」
奥深い言葉だ。
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「あなたとあなたの小さなバンプを聞かせて」
オレのバンプをお前に聞かせてやりたい。
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お昼は、ラグ麺を食べる。
これはウイグル料理で、うどんより細く、パスタより太い、なんともモチモチとした麺である。
量もあり、とにかく旨い。
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アフリカ人街へ。
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私はどこに来てしまったのかと思う程、異世界な地域であった。あまり写真は撮る事が出来なかった。
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夜、ガキさんの友達二人を加えて、一緒にご飯を食べた。
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その二人は、中国語を勉強しに広州に来ているようで、ガキさん同様流暢に中国人と会話をしていた。
異国の言葉を話す日本人に会うと大いに尊敬してしまう。
本当にすごい。
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中国語は漢字を使うので、言葉の意味が頭に入ってきやすく、私はとても覚えるのが楽しかった。

一つの言葉を覚えると、さらに大きく深く自分の世界が広がる事をこの旅で知る事が出来た。
近い将来中国で留学をして、勉強をしてみたいと思う。お金があれば。
 

夜、川沿いにあるユースホステルに泊まった。
私を見送りに来てくれたガキさんも、もはや帰宅するのが面倒らしく、ここに一泊するようだ。
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宿泊した宿は、「広州江畔国際青年旅舎」。ドミトリーで一泊60元?(996円)程だっただろうか。少し高い。
勿論清潔で過ごしやすい完璧な宿だ。
宿情報と予約は以下のリンクを参照されたい。
広州江畔国際青年旅舎(Riverside International Youth Hostel)

 
▼放浪186日目 2014/6/11(水)
朝ガキさんと宿を出た。
一緒に食べたこのワンタンのようなプリプリした食べ物が至福の旨さだった。14元(233円)。
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昨日50元(830円)でiPhone充電ケーブルを購入したのだが、全く使い物にならないという小さなハプニングがあった。
ド畜生と思い、購入した小さな電器屋へ返金してもらおうと朝訪ねるが、シャッターは閉じていた。
苛立ちを抑えながらシャッターをこぶしでガンガンと叩くも、誰も出る気配がない。

近所のおばちゃんが顔をだし、「誰もいないよ。11時から開くよ。」との事。
私はこれから香港へ寄る予定があり、もう間に合わないのでケーブルをガキさんにあげて返金は諦めて泣き寝入りする事にした。

買ったその場で動作確認をしなかった自分が悪い。
今後の反省として刻み付けておく。

 
そろそろ香港へ行かねばならない。
ここでガキさんともお別れだ。

元陽で会って、昆明、広州と3回も会う事が出来て楽しかった。
次は日本で会おう。お礼にお酒やご飯をご馳走したい。

また会おう、心優しき青年ガキさん。
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香港へビザランするため、広州から列車で深圳駅へ移動する。79.5元(1320円)

深圳駅から歩いて香港へ行く事が出来る。

半年前に一度来たことがある景色なので、何の問題も無く無事香港に入国出来た。
すぐさま中国へ戻ろうとすると、駅員に止められる。
中国側の入国ゲートは歩いてはダメで、地下鉄からしか入れないそうだ。
一度電車に乗らないと中国へ戻れないということだ。

わざわざ中国元を香港ドルに両替し、切符を25元(416円)を購入し一駅分乗って、また一駅分戻って。
ようやく中国に再入国する事が出来た。

時間は既に15時を回っていて、私は焦っていた。
17時発の成都行の列車にギリギリの状態であった。
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人に聞きまくったり、走ったり、滑ったりしながら、
なんとか10分前ギリギリで広州東駅発、成都行きの列車に滑り込みで乗る事が出来た。

荷物をおろし一息つき、ホームで買ったカップラーメンを食べると、眠りについた。

 
▼放浪187日目 2014/6/12(木)
広州から成都へ列車で移動する。
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小雨の降る中深夜23時頃、成都駅に到着した。広州東→成都 寝台 381元(6340円)
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この時間に宿で一泊するのは少し勿体無いと感じ、朝まで時間をつぶせる場所を探した。
 
▼放浪188日目 2014/6/13(金)
深夜0時を回り、近くの24時間営業のケンタッキーに入ることした。

重いバックパックを下ろし、席に着くと黒髪の若い女性が話しかけてきた。
20代前半に見える女性は、素朴な可愛らしさがあった。

彼女は笑顔で朗らかに中国語で話し掛けてきた。
私は言葉が話せない旨を伝えると、何事か言いながら向かい席に座りだした。

ともかく浴びせるように女性は次々と中国語で私に話しかけてきていた。
少し日本語を知っているようで、しかし相変わらず内容は何を言っているかわからなかった。

私は何度も「プーミンパイ」「ウォーティンブートン」とあたなと言う事はわかりませんよと伝えるが彼女は構わず、それも楽しそうに、時折爆笑しながら話し続けてた。
こちらが話しかけても返答せず、自分の話しかしないので会話が成り立たない。

ある時、後ろを向いて清掃のおばちゃんと憤怒の顔で大きな声で怒鳴りあっていた。
そうかと思えば次の瞬間には屈託のない笑顔で私に話しかけてケタケタと笑っている。

(あれ・・・この人なんか怖い。)

私は直感でこの女性と心理的な距離を置くことにした。

相変わらず洪水のように話しかけてくるので、もう開き直って私もどんどん日本語で話しかける事にした。

「あーー、そうそう、あれマジ凄いよね!」
「え、なに?くさいの?何が?おれ?」
「ああ、そうそう古畑任三郎見たことある?」
「なになになに、怖い怖い怖い。」

成都出身の学生さんのようだが、今何をしていてこれからどこへ行くのか、何度聞いても理解する事が出来なかった。
謎の女性だ。

深夜2時を回り、私は眠気が限界に達したので眠る事にした。

 
朝7時。目覚めると机に突っ伏して寝ている彼女の頭があった。

私は荷物をまとめる準備をしていると、その子も起き出してマシンガントークが始まった。

日本語で相槌をうち、大きなバックパックを背負って店を出ると、その子もついてくる。
いや、大丈夫だから、宿まで遠いから。ありがとうバイバイと言っても、ついてくる。

15分くらい歩いたところで歩道橋があり、そこで彼女は根負けしたのかさよならを告げてきた。
てっきり宿まで付いてきてしまうものかと思っていた。

開放された安堵感と、冷たくし過ぎたかなと少しの後悔を感じながら、重い体を引きずるように宿に向かって歩いていった。
今日からここ成都(チェンドゥ)での旅がはじまる。

 

つづく

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