KENJI HIROTA PHOTOGRAPHY

房総半島カメラマン・ヒロタケンジ

東チベット・甘孜(ガンゼ)の極楽温泉と陽気なカラオケ少年達

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約6分

▼放浪204日目 2014/6/29(日)
朝8時過ぎ、理塘(リタン)の宿を出てすぐ目の前にある乗相タクシー場へ行く。
「ガンゼガンゼガンゼ!」と叫んでいるドライバーを捕まえる。

ドライバーの指示通りしばらく待つとチベット人の男性2人と女性2人が来た。
同じ宿に居たアメリカ人男性のケビンと私の合計6名で、ギュウギュウになりながら車は動き出した。
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このアメリカ人男性のケビンは、私と同じくらい小柄で、金髪の長髪をたなびかせていた。
ニルバーナみたいな雰囲気を醸し出している。
更に驚いた事に中国語をペラペラと話すことが出来た。

白人は大抵の場合漢字も読めないし、言葉も話す気も無い状態で中国旅行しているという偏見を持っていたのだが、このケビンは一味もふた味も違う。
更に気配りも出来て、愛想も良く性格が良い。たしか26歳くらいだったか。

彼は車内でチベット人達と楽しそうに中国語で話をしている。
すごい。ケビン。尊敬する。

ガタイの大きなテンガロンハットをかぶったチベット人男性は、車内でチラチラと私を振り返り視線を投げかけてきた。
何回目かの休憩のタイミングで席を移動して隣の席になると、彼は肩を組んで頬に唇を寄せてきた。
私は巧みに全力で力を込めてそれを回避した。

 

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緊迫の検問所

しばらく走ると、検問に引っ掛かり全員車から降ろされて、パスポートチェックが始まった。
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東チベットではこれまでも何度か検問があった。
今回も同じように全員のチェックが終わり、私は車に戻ろうとすると、公安が「お前ちょっと待て」と私を指差して止めた。

体のガッチリとした公安の男は、自分の携帯の画像と私の顔を凝視し、首元や顎周辺を何度か触さわり、いぶかしげな表情で見つめると、後ろの公安の仲間とひそひそと話し始めた。

何だ、どうした。何も怪しい事はしていない。
誰か何者かの危険人物に似ているのか。
久しぶりに生唾を飲み込むような、緊張感が湧き出て来た。

アメリカ人のケビンは、小声で「笑ってれば大丈夫。笑顔笑顔。」とアドバイスをくれた。
私は得意のケンジスマイルで、満面の笑みをつくった。

しばらくすると、ケンジスマイルが功を奏したのか、あっさりと「行っていい」という合図があった。
ほっとして車はまた走り出した。

 

雨の降る甘孜(ガンゼ)に祷ッ着

途中、昼休憩を挟み16時頃、甘孜(ガンゼ)の街に到着した。

ケビンはすぐに次の街へ行くらしく、別れを告げた。
良いやつだった。もう少し話をしたかった。

車を降りると、街にはかなりの雨が降っていた。
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5分もしないうちに、宿の呼び込みのおばちゃんが声を掛けて来た。
もう宿さがしも面倒なので、おばちゃんに着いて行く事にした。

 

甘孜(ガンゼ)の宿

一泊30元で2部屋のドミトリーだった。
「阿須草原格薩尓居王旅館」Wifi有。
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場所は街の中心にある橋から東側のタクシー乗り場?から南の道へ入りすぐ右手に折れた道。
Google mapに道は無いが、この辺り。

シャワーは無いが、この街には温泉があるので無くても平気であろう。
宿に入ると子供達が出迎えてくれた。可愛いな。
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宿に荷物を置き、街を歩く。
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やかましい音を出しながら、カラオケをしている子供が居た。
この寒い中大変だな。
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移動の疲れもあり、宿に戻り眠りについた。

40代くらいの浅黒い肌をしたチベット人が隣のベッドで寝ている。
車の運転手をしているようで明日の朝早くには隣街へ移動するらしい。
お仕事ご苦労様。

 

甘孜(ガンゼ)観光

▼放浪205日目 2014/6/30(月)
この日もあまり天気は良くなさそうだが、街を徘徊してみる。
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建物や装飾がチベット文化の色が濃く出ていて面白い。
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北にあるゴンパ(寺院)へ向かっていると、携帯用マニ車を回しながら歩く現地人に声を掛けられた。
言葉は通じないので、挨拶と日本から来たという事を伝えると、ニッコリと微笑んでくれた。
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一緒にマニ車を回す。
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途中の建物の中には大きなマニ車があり、これも回す。
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中には高僧らしき人の写真が飾ってあった。
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穏やかだ。
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穏やかなチベット人

小高い山へ登ると、はじめに会ったおじさんと、ご婦人二人がベンチに腰掛けていた。
通り過ぎようとすると手招きをして一緒に休憩しなさいと言う。

私はうなずいて座り、こんにちわ。日本から来ました。チベットは良いところですね。などと伝えたつもりだ。
彼らはウンウンと頷いて、ニッコリと微笑んでいた。

チベット人は穏やかで温かい。
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小高い丘に上がり、見晴らしの良い場所に出た。
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マニ車が並んでいて、もちろん全て回す。
一回転でお経一回唱えた事に成る。回さずにはいられない。
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甘孜の街もここから一望出来た。
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この辺りはなだらかな草原の丘が続いていて、しばらくブラブラと散歩する事にした。
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牛や鳥などもそこらへんに沢山居る。
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地面には何カ所か穴が開いていて、動く気配がするなと思っていたら小さなネズミ?がいた。
なんて可愛いのだろうか。
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あああーー!
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この辺は散歩がとても楽しい。
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穏やかだ。
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お昼時になりお腹が空いてきたので街へ戻る事にした。
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甘孜(ガンゼ)のカラオケ少年達

街に戻ると昨日居た子供がまた歌っていた。頑張るなぁ。
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今日はそれなりにギャラリーも居る。以外と人気のようだ。
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甘孜(ガンゼ)観光・南のゴンパへ

街の南にある橋へ向かった。
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橋を歩いていると後ろからバイクに乗った、体の大きなチベット僧がやってきた。
「どっから来た?」「寺に行くのか?」「日本人か!乗ってきなさい!」

バイクの後ろに乗せて貰い、気の良いチベット僧に南のゴンパに乗せてもらった。

来てみたは良いが、今一つ魅力を感じられず、すぐに来た道を引き返す事にした。
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帰り道がとても自然豊かで気持ちの良い風景達だった。
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穏やかだ。
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甘孜(ガンゼ)で超絶人気のカラオケ少年

街へ戻ると、黒山の人だかりが出来ていた。
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中を覗くとまたカラオケ少年が歌っていた。なんだまたか。
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しかし今回は弟くんらしき人物が小気味よいダンスを踊っている。
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それにしても人だかりが物凄い。大人気歌手なのだな。
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甘孜(ガンゼ)おすすめスポットの温泉

もう疲れたので宿に戻るが、残念ながらここにはシャワーは無い。
しかしこの街には温泉がある。という事で、行ってみる事にした。

場所は中心地から東へ歩いて10分~15分の卡薩大酒店の路地を行った場所にある。詳しい場所は失念。
「雪山温泉賓館」
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掃除が行き届いており清潔で、毎回お湯を入れてくれる。鬼のように気持ちいいお風呂であった。15元(240円)
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甘孜という街は、チベットの文化が色濃く出ていて楽しい。
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他の街より中国人の割合が少ないように感じた。
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自然も豊かだ。
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そして何より温泉が気持ち良過ぎた。汚い足ですまない。
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甘孜。良い街だった。
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明日、色達(セルタ)を経由して、今回のハイライト、ラルンガルゴンパへ向かう。

つづく

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