KENJI HIROTA PHOTOGRAPHY

房総半島カメラマン・ヒロタケンジ

トルコ・イスタンブールで1ヶ月ぶりに舞い戻った愛しのカメラ

, …
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約7分

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イランからトルコへ陸路入国

▼放浪329日目 2014/11/1(土)
荒涼とした大地を踏みしめて、しみじみと振り返りながら37日間にも及ぶイランの旅を終えた。
11か国目のトルコへ入国する。
国境スタッフに「メルハバ!(こんにちは!)」と挨拶をした。

かつてトルコへは2013年にHISのツアーで訪れた事があり、主要な観光地は見ていた。2度目の今回はツアーとは違った一人旅ならではの観光をしようと鼻息を荒くしていたが、まずはイスタンブールへ忘れたカメラを取りに行けねばならない。
受け取りの日は明日に迫っており、急がねば。
 

トルコの入国スタンプを押されるとすぐに国境の街ドゥバヤジットへ行くミニバンを見つけ飛び乗った。運賃7.5リラ(375円)。
turkey

30分程で街に到着し、さあ次はイスタンブール行きだとバス会社に駆け込み今日発のチケットを聞くと、40分後に出る!との事。
「まじか!でもいまお金無い!ATM!あっち?」と、ダッシュでお金を下ろし120リラ(6000円)を支払うと、すぐさま店員さんが捕まえてくれたタクシーでバスターミナルへ走りだした。

滑り込みの奇跡的なタイミングでイスタンブール行きのバスに乗れた。
イランの街からここまで5回程ミニバスに乗換えたが、どれ一つ遅れても今のバスには間に合わなかった訳だ。
やった、やったと興奮を抑えながら席に座ると、ようやく一息つくことができた。

ぼったくり高速バスの飯屋

ふとバスの乗客を見渡すと、トルコ人やイラン人よりも黒っぽい肌を持つ人が多かった。見なりも言っては何だがボロボロで汚らしい。(自分も同じだが)
何気なく隣に座る男にペルシャ語やトルコ語で話しかけるが反応が無い。
後ろに一人だけ英語を話す男が居て聞いてみると、我々はパキスタン人だとの事だった。
道理で言葉が通じなかった訳だ。出稼ぎ労働者だろうか。
 

バスが走りだし流れる景色を眺めていると、まだ16時半なのに外が真っ暗になっていく。この時期は日の入りが早い。
食事休憩でレストランの店主に促されるままバスを降りると、吐く息が白く、ジッとしていると震えが止まらなかった。
 

食堂の席に着き、出されたご飯を食べ終わると、店員が20リラ(1000円)を請求してきた。
勝手に出されて勝手に食べたのはこちらだが1000円は高い。これはぼったくりレストランだ!
まわりのパキスタン人も怒っていて私も同様に不平を伝えたが、店員はクレームに慣れているようで逆切れしだした。
私は憤怒の店員を眺めながらどっと疲れが出てしまい、争う気が失せてしまった。結局20リラを支払った。

外は暗いし寒いし眠いし、ぼったくりレストランと、入国そうそう陰鬱な気分になってきていた。

 

▼放浪330日目 2014/11/2(日)
前日の14時にドゥバヤジットを出発したバスは20時間走りに走り、午前11時イスタンブールに到着した。
トルコを東から西へ一気にぶった切った形だ。
istanbull

イスタンブールの安宿「World House Hostel Istanbul」

宿泊した宿は「World House Hostel Istanbul」。
ドミトリーで一泊30リラ(1500円)。wifi、朝食付き。
カラキョイ地区のガラタ塔の近くで坂の上にあり行くまで少し疲れるが、周辺は観光客向けのお店が並びとても賑やかである。
1階にカフェ兼バーが併設されているので入口付近は煩いが、部屋まで音は届かない。清潔で申し分ない宿である。
※宿情報と予約はこちら→「World House Hostel(Booking.com)
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戻ってきた一眼レフカメラ

夜、キルギスとウズベキスタンの海外青年協力隊の人々の協力により、一か月ぶりにカメラを受けることが出来た。
彼らは、面識のない人間(私)の為に、ウズベキスタンの田舎からバケツリレー形式で重いカメラを運んでくれた。
私はとてつもない喜びに溢れ、なんとお礼をしたら良いのか表現出来ず、結局アイスクリームを御馳走するに終わってしまった。夕ご飯なども御馳走したかった。いや、あまり感謝を押し付けるのも良くないだろうか。ああ。

これまで沢山の人からもらった親切は、一生かかっても返せないだろう。
恩はその人に返す「恩返し」ではなく、次の人に渡す「恩送り」が良いらしい。
坂爪圭吾さんが言っていた。

親切にしてくれた人に感謝しつつ、多くの人に恩を送ろう。

イスタンブール観光・ダラダラと街歩き

▼放浪331日目 2014/11/3(月)
ウズベキスタンの宿にカメラを忘れて一か月。久しぶりに写真を撮り歩いた。
カメラを買ったばかりの頃を思い出すような、ワクワクとした気持ちになる。
ああ、やはり写真はとても楽しい。
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久しぶりにイスタンブール名物のサバサンドを食べる。
脂がのっていて旨い。レモンを絞るとまたサッパリとして味が変わりこれまた飽きない。6リラ(300円)
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イスタンブールの象徴、アヤソフィアが美しい。
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なんてことはない一日だった。
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イスタンブール観光・腹の立つトルコ人への反省

▼放浪332日目 2014/11/4(火)
道を歩いていると日本語の流暢なトルコ人が多く、かなり話しかけられることが多い。
フレンドリーで親切な人もいるが、結局絨毯屋に連れられお茶を飲み、商売が始まることが多くうんざりしていた。

この日、また日本語で声をかけられ、私は虫の居所が悪かったのか「はいはいどうせ絨毯屋でしょ?」と皮肉を言うと「えーひどい。あなたひどいね!」と相手を怒らせてしまった。
じゃあ何屋さんだよ!?と聞くと家具屋だ!との事。
絨毯も扱う家具屋だろうが!と思う一方で、頭ごなし絨毯屋と決めつけ罵ってしまった自分を反省した。
言いすぎてすまなんだ。
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イスタンブール在住インド人宅にホームステイ

▼放浪333日目 2014/11/5(水)
イランで知りあった旅人が、イスタンブール在住のインド人を紹介してくれた。
ありがたい事に彼の家に泊めて貰えるらしい。イスタンブールは宿代が高くこれはとても助かる。

そんなインド人のサリムさんはお喋りが好きで、そして特に女性の話が好きだった。
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ケンジ、お前はこの旅で何人の女を抱いたんだ?あそこに歩いている女は日本人だ。声をかけろ!など、時折うんざりする事もあったが、基本的にはいい人間である。

生年月日を聞くとどうやら私と同い年のようで、かといって親近感を抱く訳でも無かったが、基本的にはいい人だ。
そして彼のwifi付のマンションはとても豪華で居心地が良かった。
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記念だ、記念だと言って私の写真を撮ってくれた。
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後日、お礼にサリムさんの写真も沢山撮ってあげた。
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明日は友達が来るんだ、とサリムさんに話すと「女か!?違うのか!?」と興奮していた。
いや、残念ながら男だ。

旅人との再会

▼放浪334日目 2014/11/6(木)
中国で2度ほど出会った旅人のヒロキ君と再会した。
彼はこの時色々と思い悩む事があったようで、一緒に酒を酌み交わし語らいあった。
後日聞くとその悩みも解決したようで、良かった。

久しぶりにアルコールを摂取した日だった。
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一か月ぶりにカメラを手にして安心したのか、なんだか気が抜けてしまった。
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数年前のツアーでトルコを訪れた時は人がフレンドリーでとても良い印象を抱いていたが、今回はぼったくりレストランでのイライラや、絨毯屋との言い争いなどで今一つかみ合わない。
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街を歩いてもイランの時のように、人にジロジロと見られる事も無い。
ストレスがない一方で街や人が都会的で洗練されていて、それが逆に物足りないように感じる。
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トルコの色々な田舎を巡るつもりだったが、もう面倒でヨーロッパへ抜ける事にした。
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明日この街を出よう。
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さらばイスタンブール。
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つづく

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