KENJI HIROTA PHOTOGRAPHY

房総半島カメラマン・ヒロタケンジ

【イスラエル入国】イラン渡航履歴が原因で空港で拘束3時間の尋問を受ける

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約6分


世界放浪の旅が1年を過ぎ、3ヶ月のヨーロッパの旅を終えた私は、次の国イスラエルへの飛行機へ乗りこむ。
この国はイランの渡航履歴があると空港で長時間拘束されると噂があり、どうなるものかと緊張しながら空港へ辿り着いた。
敵対国イランの渡航歴があった私は、別室に連れて行かれ仏頂面の空港スタッフを相手に携帯を取り上げられ「刑務所へ入りたいのか?」と凄まれながらも、なんとか入国した出来事を記した旅行記である。
これからイスラエルへ訪れる、すべての旅人への参考になればと思う。

・本記事は、2015年2月に旅した情報を元に作成しています

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スペインからイスラエルへ

▼放浪445日目 2015/2/25(水)
バルセロナでカメラを盗まれて傷心しながら、新しいカメラを購入した勢いで意気揚々と、スペインからギリシャ・アテネ経由で、イスラエル・テルアビブの空港へ飛び立つ。
バルセロナの空港では、イスラエルは出国チケット無いと入国できないわよ?などと脅しをかけられる。(結果入国できた)

イスラエル、ベン・グリオン国際空港での詰問

▼放浪446日目 2015/2/26(木)
アテネの空港で長い時間潰しを終えて、飛行機はようやく目的地のイスラエルに到着した。
深夜に到着したので、頭がぼーっとして体が重い。
入国管理のゲートでは係員が私のパスポートをパラパラとめくり、イランの事について聞かれた。
イスラエルとイランは敵対国であり、渡航歴があると別室に連れて行かれるのはこれまでの旅人の情報で知っていた。

「イランへは何しに行ったの?」「どのくらい滞在していたの?」
「あっちで待っていなさい」
と指の先にある待合所へ行くと、コの字型のベンチがあって、既に男女数人ほどが座っていた。
パレスチナに住んでいるという男性。自称先生。怪しげなカップルらが大きな声で会話をしていた。
時間帯もあって不思議と全員あやしい人物に見えてくる。

旅人の間では、ここで5時間も拘束されるという情報もあった。
さあ、わたしは何時間コースになることだろう。

緊張の圧迫面接

順番を待つこと40分。ようやく名前を呼ばれて入った部屋は、白が印象的な簡素な事務所だった。
カウンターの奥には30代前半のパツパツのTシャツを着た男性が居た。

イランには何故行ったのか?友達は居るのか?
その携帯は使えるか?SIMカードは無いか?

男は乱暴に質問してきた。

SIMカードは入っていないはずだと答えたが、実際はSIMが入っていたのを忘れていた。
眠気で曖昧に返事をした為「お前、牢屋に行きたいのか?」と男が凄んできたため、わたしは一気に緊張した。
SIMカードは勘違いで本当に無いものと思っていた。しかし牢屋に入れられるような事をしただろうか・・。
理不尽極まりない・・・。

緊張したまま質問に答えながらしばらくして、部屋から出ろと言われた。
携帯は返してくれないままだ。

どうやら私は、この国に歓迎されていないようだ。
イスラエルの入国は厳しいかもしれない。
もしダメなら飛行機でエジプトでも飛ぶか。お金かかりそうだなぁ、とぼんやり考えていた。

2度目の面接は優しかった

待つこと15分。名前を呼ばれて2度目の面談が始まった。
またしてもたくさんの質問を浴びせてきた。
父の名前は?祖父の名前は?イスラエルはどこへ行くのか?目的は?E-mailアドレスは?フェイスブックアカウントは?
たくさんの質問はあったが、今回は男の雰囲気、表情は穏やかだ。

淡々と質問に答えて何事もなく面接は終わった。
また呼ばれるのかと思いきや、もうゲートを出て良いとの指示が出た。
入国拒否は杞憂に終わり、無事にイスラエルへ入国する事が出来た。
時刻は朝5時前。約3時間ほどの拘束だった。

イスラエル・中心都市テルアビブへ

21カ国目・イスラエルに入国した。
ベングリオン国際空港から、町の中心地までを鉄道で1時間もあれば着く距離で、空港と街のアクセスは良い。

SIGMAのレンズを修理に

テルアビブに着いて早々、私にはやることがあった。レンズの修理だ。
ヨーロッパでレンズを落としたのが原因で、ネジが緩んで部品がカタカタと動いてしまう不具合が発生していた。
このレンズ👇 は心地よいボケを広域に写してくれる。風景にもポートレートにも最高だ。

SIGMAの公式HPを調べると、イスラエルに修理センターがある事がわかった。
体は疲れて重かったが、散歩がてら宿から目的地まで歩いて向かうことにした。

宿から8キロほど歩いて、立体駐車場を登った先に小さな店舗を見つけた。
SPOT PHOTO SUPPLIES」で、修理を受け付けているらしい。代理店のような感じだろうか。

扉をくぐり声をかけると、なんとも気の良いお兄さん二人が出てきた。
レンズの不具合を説明して、旅やカメラの雑談なんかをしてレンズを預けた。
良い人たちだ。

レンズの修理代が無料だった

修理を出して三日後。再度店舗へ行きレンズを受け取ると確かにしっかり治っていた。
お代はいくらだい?と聞くと、いらない、いらない!これは僕らの気持ちだから、との事。
商売で治してもらって、お代を受け取らないとか意味がわからない。
部品代などがかかっていない事が理由らしいが、それでもやっぱり意味がわからない。
それだけでイスラエルが好きになってしまう。

試し撮りで撮影したショップの店員さん

二人のフレンドリーさと、笑顔を思いながら宿へと戻った。
なんだか、イスラエルの旅が楽しくなりそうな予感しかない。

さあ午後はテルアビブの街を歩いてみよう。

つづく

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