2019年3月8日。
日本各地の鳥居を集めた書籍『鳥居大図鑑』が発売されました。
昨年カメラマンとして、全国58箇所(書籍では56箇所の紹介)の神社・仏閣を、
北海道から沖縄まで合計4ヶ月の長い時間をかけ撮影を行いました。
雨の降る中、山頂で寒さに震え見た黄金の鳥居。
有明海、車中泊をして撮影した幻想の海中鳥居。
荘厳で青白く光る有田焼の鳥居など。
これまで見たことも無いような鳥居を、もう嫌だと言うほどに訪れました。
北海道から沖縄まで58箇所をめぐる旅のマップ
今回は58箇所訪れた神社の鳥居の中から、驚きと感動と脳裏に刻まれた鳥居を紹介させて頂きます。
それではどうぞ!
海に佇む鳥居たち
こんなに美しい鳥居があったのかと、驚きと共にその景色に見惚れる事が多かった、海中鳥居。
朝日や夕日、満潮や干潮によって、様々に変化する鳥居を紹介致します。
厳島神社の大鳥居(広島県・廿日市)
ユネスコの世界文化遺産に登録されている広島の「厳島神社」。
本殿から北東の方角、広島湾に建つ鳥居です。
引き潮の時は、鳥居の下まで歩いて間近で見る事が出来ます。
笠木(一番上の横木)の側面には太陽と月のモチーフがあるので、よく見てみましょう。
前職の先輩から結婚式の撮影の依頼を頂き、
タイミングよく鳥居と結婚式を同時に撮影を行った、思い出深い場所です。
神社名 | 嚴島神社 | ||
住所 | 広島県廿日市市宮島町1−1 | ||
創建 | 593年(推古天皇元年) | ||
形式 | 両部鳥居 | ||
高さ | 16.6m | ||
webサイト | 厳島神社 |
大洗磯前神社・神磯の鳥居(茨城県・東茨城郡)
茨城県の大洗町の海沿いにある神社。
太平洋に建つ鳥居で、朝陽と波しぶきが鳥居にぶち当り、荒々しくも荘厳な姿を見る事ができます。
写真スポットとして有名な場所で、朝5時頃から20人を超えるギャラリーと場所争いをして撮影をしました。
近くにある漁協運営の海鮮料理屋「かあちゃんの店」は、煮付けや刺身がとろけて量も素晴らしいので絶対行ってほしい。
神社名 | 大洗磯前神社 | ||
住所 | 茨城県東茨城郡大洗町磯浜町8249−1 | ||
創建 | 856年(斉衡3年) | ||
形式 | 明神鳥居 | ||
高さ | – | ||
webサイト | 大洗磯前神社 |
大魚神社の海中鳥居(佐賀県・藤津郡太良町)
佐賀県の有明海に浮かぶ、海中鳥居。
撮影の条件が「満潮・晴れ・朝陽」という難しいもの。
朝の時間帯で満潮になるのは月に数回しかなく、1度目のアタックは雨天で中止。
3日待って晴れた時に車中泊をして、翌朝満潮のタイミングで無事に撮影を終えました。
満潮時と干潮時の水位の差が6mもあり、鳥居の半分以上海に浸かることもあります。
静かで不思議な空間で、あの世に居るような世界観を味わえます。
神社名 | 大魚神社 | ||
住所 | 佐賀県藤津郡太良町多良1874-9 | ||
創建 | – | ||
形式 | 鹿島鳥居 | ||
高さ | – | ||
webサイト | – |
和多都美神社の海中鳥居(長崎県・対馬市)
博多発のフェリーで4時間、韓国が目と鼻の先にある離島「対馬(つしま)」。
さらにフェリー乗り場から車で1時間ほどの場所にある、和多都美神社。
ここも干潮になると奥の鳥居まで行く事が出来る。
浦島太郎の竜宮伝説が伝わっていて、乙姫さまのモデルである『豊玉姫命』のお墓(墳墓)がある。
ここから徒歩30分圏内にある「烏帽子岳展望台」から見る対馬のリアス式海岸の景色は、旅の中でもトップに入る絶景なので行ってみて欲しい。
神社名 | 和多都美神社 | ||
住所 | 長崎県対馬市豊玉町仁位55 | ||
創建 | – | ||
形式 | 明神鳥居 | ||
高さ | – | ||
webサイト | 和多都美神社 |
千本鳥居のある神社
千本鳥居といえば、京都の伏見稲荷を思い浮かべますが、全国に大小様々に存在していました。
外から眺めたり、くぐったり屈んだり、撮影のアプローチが無限にあって苦労したものです。
伏見稲荷大社の千本鳥居(京都市・伏見区)
千本鳥居の代名詞と言えるのが、伏見稲荷の鳥居。
その数は果てしなく、想像を超えた鳥居の数々が迎えてくれます。
稲荷山の頂上にある「一の峰」までの、長い山道にもどこまでもびっしりと並んでいて、これほどとは・・と感動します。
これらの鳥居は、個人で奉納する事が出来て、一番小さいサイズ(5号)で17万5千円〜。
鳥居奉納のご案内(伏見稲荷神社HPより)
神社名 | 伏見稲荷大社 | ||
住所 | 京都府京都市伏見区深草藪之内町68 | ||
創建 | 708年-715年(和銅年間) | ||
形式 | 明神鳥居 | ||
高さ | – | ||
webサイト | 伏見稲荷大社 |
元乃隅神社の123基の鳥居(山口県・長門市)
暴風が吹き荒れる高波の激しい日本海を横目に、静かに佇む「元乃隅神社」の鳥居があります。
神社の入り口から海へ向かう123基の鳥居と、奥の荒々しい日本海を見る事が出来ます。
海側にある鳥居の後ろには「龍宮の潮吹」というスポットがあり、
そこから出る不気味な音を現地で聞いてみてください。
神社名 | 元乃隅神社 | ||
住所 | 山口県長門市油谷津黄498 | ||
創建 | 1955年(昭和30年) | ||
形式 | 両部鳥居、八幡鳥居 | ||
高さ | – | ||
webサイト | 元乃隅神社 |
木比提稲荷神社の白木鳥居(茨城県・石岡市)
住宅街の一角にひっそりと佇む、小さな稲荷神社。
木の皮を削っただけの白木(しらき)の並ぶ鳥居が特徴。
日が暮れる直前に行ったからから、なんとも怖い雰囲気の神社でした。
蚊がすごかった。
神社名 | 木比提稲荷神社 | ||
住所 | 茨城県石岡市石岡2361-1 | ||
創建 | – | ||
形式 | 素木鳥居 | ||
高さ | – | ||
webサイト | – |
超大型の鳥居
道路を跨ぐ大きな鳥居。桜の大木をゆうに超える鳥居。
その大きさは、圧倒的な存在感と神々しさを感じる事が出来ます。
熊野本宮大社の大鳥居(和歌山県・田辺市)
和歌山県の紀伊山地、山深い場所にある「熊野本宮大社」。
本殿から離れた場所に「大斎原」という神が舞い降りたとされる森にある大鳥居。
写真中央右側の道に人が歩いている大きさから、その巨大さがわかるでしょうか。
桜が満開と大鳥居の爽やかな写真が撮れました。
神社名 | 熊野本宮大社 | ||
住所 | 和歌山県田辺市本宮町本宮1110 | ||
創建 | 紀元前33年(崇神天皇65年) | ||
形式 | 明神鳥居 | ||
高さ | 34m | ||
webサイト | 熊野本宮大社 |
出雲大社・宇迦橋の大鳥居(島根県・出雲市)
旅の後半、生まれてはじめて訪れた島根県。
観光客がそれほどおらず、落ち着いた雰囲気が聖域を強調していて好きな場所です。
駐車場で車中泊をして朝日が昇る前、二の鳥居から一の鳥居に向けて撮影しました。
薄もやのピンク色の空に佇む、白い鳥居。
お気に入りの写真のひとつです。
神社名 | 出雲大社 | ||
住所 | 島根県出雲市大社町杵築東195 | ||
創建 | 1915年(大正4年) | ||
形式 | 明神鳥居 | ||
高さ | 23m | ||
webサイト | 出雲大社 |
彌彦神社の大鳥居(新潟県・西蒲原郡)
空の広いのどかな田園風景の景色を眺めながら新潟の道を走らせていると、
遠くにポツンと巨大な建造物が見えてきます。
本殿からだいぶ離れた場所。
コンビニと信号・民家が立ち並ぶ場所に、道路を跨ぐように真っ赤な大鳥居がそびえ立っていました。
夜のライトアップの景色が映えます。
神社名 | 彌彦神社 | ||
住所 | 新潟県西蒲原郡弥彦村弥彦2887−2 | ||
創建 | 1982年(昭和57年) | ||
形式 | 両部鳥居 | ||
高さ | 30m | ||
webサイト | 越後一宮 彌彦神社 |
変わった色と形の鳥居
最後にご紹介するのは、一風変わった鳥居たち。
金ピカの鳥居や、少し変な形をした鳥居のご紹介です。
秋葉山本宮秋葉神社の幸福の黄金鳥居(静岡県・浜松市)
静岡県の山奥、背の高い森の秋葉山。
シトシト降りしきる雨と、人影のない不気味な境内。
そんな状況を打ち破るように現れたのは黄金の鳥居。
標高866mの場所から鳥居と絶景の山々を見る事ができるが、この日はあいにくの天気であった。
神社名 | 秋葉山本宮秋葉神社 | ||
住所 | 静岡県浜松市天竜区春野町領家841 | ||
創建 | 1993年(平成5年) | ||
形式 | 明神鳥居 | ||
高さ | – | ||
webサイト | 秋葉山本宮秋葉神社 |
豊川稲荷・霊狐塚の鳥居(愛知県・豊川市)
神社ではなく、お寺の境内にある鳥居。
驚くべきは、800体以上あると狐の石像。
「霊狐塚」と呼ばれる場所で、入った瞬間大勢の狐の目が集中して、
背筋がゾクゾクして撮影に集中できなかった思い出があります。
神社名 | 豊川稲荷 | ||
住所 | 愛知県豊川市豊川町1番地 | ||
創建 | – | ||
形式 | 明神鳥居 | ||
高さ | – | ||
webサイト | 豊川稲荷 |
石切劔箭神社の鳥居(大阪府・東大阪市)
大阪の下町、東大阪にある神社の白い鳥居。
鳥居の一番上の部分「笠木」が中央から緩やかに盛り上がった、独特の形状をしています。
この形状は、ここでしか見たことがありません。
神社名 | 石切劔箭神社 | ||
住所 | 大阪府東大阪市東石切町1丁目1丁目1 | ||
創建 | 1980年(昭和55年) | ||
形式 | – | ||
高さ | – | ||
webサイト | 石切劔箭神社 |
陶山神社・磁器製の鳥居(佐賀県・西松浦郡)
「印象に残った鳥居は?」と聞かれれば、いちばんに上げるのがこの鳥居。
有田焼きで有名な佐賀県・有田町にある神社で、表面が陶器で出来ている鳥居。
青白くツルツルに輝き、ロボットを思わせるがっちりとした巨体に惚れ惚れとしてしまいました。
神社名 | 陶山神社 | ||
住所 | 佐賀県西松浦郡有田町大樽2-5-1 | ||
創建 | 1888年(明治21年) | ||
形式 | 陶山神社 | ||
高さ | – | ||
webサイト | 陶山神社 |
鳥居、撮影の旅を振り返って
という事で、記憶に残った鳥居を14選紹介させていただきました。
2018年は日本を車でたくさん旅をした一年でした。
旅の冒頭で車のマフラーが取れてしまい修理を行ったり。
一か月前くらいだろうか、車を走らせていると後方部でカタカタと嫌な金属音がしていた。
今日ようやく点検してもらうと、マフラーの排管?が錆びて取れていた。マフラーごと交換の必要があるらしい。
6万円くらいとのこと。車もカメラも自分も、摩耗しながら生きている。
がんばろう。 pic.twitter.com/E0aw76teIi
— ヒロタ ケンジ@車中泊の内気なカメラマン (@piroken1980) 2018年9月19日
黄色信号で急ブレーキを避ける為にスピードを上げたところ、直近の赤信号を無視してしまい、罰金刑になったこと。
信号が青から黄色に変わった為、スピードを上げて通り過ぎると、間髪入れずに迫る次の信号に気付かず、赤で通り過ぎてしまった。
横で見張っていたパトカーに停められ、2点減点の罰金9千円となった。大きな事故が起こる前に、気をつけろという事だろう。
あらゆる感情を黙殺し、次の撮影へ。 pic.twitter.com/VbRlwjahv4
— ヒロタ ケンジ@車中泊の内気なカメラマン (@piroken1980) 2018年10月2日
そして、大好きな昭和レトロの純喫茶に入り、旅先の美味しいご飯を食べる、幸福な時間もありました。
島根県の浜田では、フォロワーさんオススメの #純喫茶 「#日東紅茶ティーパーラー」を訪れた。
創業50年経つ店内は、床も椅子も照明も当時のまま。
スパゲッティを注文すると、鉄板で焼かれた卵の上に麺が乗っている。ひとくち食べると、こころは昭和の高度経済成長期の時代にタイムスリップだ。 pic.twitter.com/GnE1grRTUV
— ヒロタ ケンジ@車中泊の内気なカメラマン (@piroken1980) 2018年10月11日
そんな4ヶ月の思い出の詰まった鳥居の書籍。
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以上、お読みいただきありがとうとざいました!