KENJI HIROTA PHOTOGRAPHY

房総半島カメラマン・ヒロタケンジ

【鋸山 登山】初心者は「車力道ルート」がおすすめ[写真付きで解説]浜金谷から日本寺の大仏・保田海岸までを案内

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約9分

千葉県房総半島の浜金谷に移住してから、幾度となく登り続けた「鋸山」。

暇さえあれば観光ルートとは外れた、未知のルートを開拓するのが趣味で、様々な鋸山の表情を知る私め。
鋸山は最低限ここを抑えておこう!!という、おすすめの登山道「車力道コース〜日本寺〜保田海岸」のルートをご紹介します。

そこには迫力の「石切り場」や「地獄のぞき」、「夕暮れの保田海岸」を見ることができて、


下山したら海鮮料理を食べて銭湯で汗を流してフィニッシュ!
そんなコースを、スタートからゴール地点まで、写真と共に詳細に記録してみました。

それではどうぞ!

■ 鋸山の8つの登山ルートについて、以下の一覧をご確認ください。

登山道 備考
鋸山ロープウェーコース  初心者向け。片道五分で山頂へいける。
関東ふれあいの道コース  片道40分のハイキングコース。
車力道コース  一番おすすめ。見所をほとんど網羅できる。
石の階段コース  渋い登山コース。マニアック向け。
安兵衛井戸と沢 コース  上級者向け。未整備の登山道。
アドベンチャー コース
林道コース  メインの観光ルートと外れた登山道。
大沢水仙の里 コース

※鋸山の全体の観光の特徴については、以下の記事にまとめました。
👉【のこぎりやま観光-完全ガイド】『鋸山』を30回以上登頂した現地民が後悔しない楽しみ方をまとめてみた。「ラピュタの壁」「地獄のぞき」と温泉・グルメを巡る【千葉の秘境】

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初心者も安心な車力道ルートの概要

今回ご紹介するルートは「車力道コース」の紹介。
浜金谷駅からスタートして、休憩時間を含めゆっくり歩いて、所用約5時間ほど。
登山経験の少ない初心者でも、比較的安心して観光できるルートです。

以下から詳しい登山ルートを紹介したい。

スタートは浜金谷駅から

登山コースのはじまりはJR内房線「浜金谷駅」からスタート。

JR内房線は1時間に一本なので注意しましょう。

まず登山道へ行く前に「セブンイレブン」へよることをおすすめする。
行動食と飲み物、トイレもここで済ませていこう。
👉【鋸山のトイレまとめ】浜金谷・日本寺・ロープウェイ周辺のお手洗い場所全部

町で唯一のコンビニ。後ろに見えるのは鋸山。

町を通り抜け鋸山登山道へ

登山道へ向かう道、奥に雄大な鋸山の姿が見える。

ここから見える鋸山が一番好き

お肉屋さんの角を左へまがれば、あとは登山道へ一直線。

住宅街を抜け奥の登山道へ

最初の分岐点・安兵衛井戸と沢コース

線路をくぐると最初の分岐点。左は「安兵衛井戸と沢 コース(閉鎖中)」
ここは右へ進む。

しばらく歩くと、階段があらわれる。
ここは「関東ふれあいコース」で、頂上への最短ルートではあるが見所は少ない。(あと階段がつらい)
左へ曲がり「車力道コース」方面へと進む。

ヒカリモ発生地

通りの途中、右手に穴があり「ヒカリモ発生地」がある。
※私は一度も光っているところを見たことがない。

ゆるやかな坂を登り、車力道コースの入り口手前から鋸山の削られた岩を拝むことができる。
よく見ると「地獄のぞき」の断崖があり、これからあのテッペンを目指して行く。

車力道コースへ

トンネルへ入る手前、左の山道から車力道コースへと入る。

ワイヤーケーブルで石を運んだ「索道跡」

車力道コースの入り口に「索道跡」というスポットがある。
山の上の石切り場から麓までを2本のワイヤーに滑車を乗せて、索道(リフト)を使い石材を下ろしトラックで運んでいた。
ワイヤーが結ばれていた、2本の木が確認できる。

女性が手押し車で80キロの石材を一日三往復した「車力道」

登山道を歩いていると、石畳のような道を見ることができる。
これは「車力」と呼ばれていた人々が、80キロもの石を手押車(ネコ車)を使い運んでいた道。
驚くことに、この重労働を主に女性が担当していたという。
トラックでの運搬やリフトが普及する以前、人力で石材を運搬していた時代の遺構。

登り始めて30分ほど、ベンチのある休憩ポイントに到達。

苔むした石材が並ぶ「集石所」

休憩所のポイントから少し登った道の左手に、石を集めた場所がある。
ふわふわに覆われた苔が、時の重なりを感じる。


登山道入り口から1時間ほどで新たな分岐点。
左へ行けば「地球が丸く見える展望台」へ。
素晴らしい絶景であるが、時間と内容を加味して今回は行かない。

切り通し跡

分岐を右へ進んだ先にあるのが「切り通し跡」。
職人たちが地層に沿って岩を掘り進めていくと、作業中に発生した不要な石クズや石材の運搬路が必要になる。
この作業路として岩盤をくりぬいて作られた道が「切り通し」である。

石切り場跡

観音洞窟(石切り場跡)

切り通しを抜けてすぐ、縦に大きく口を開けた「観音洞窟」がある。

中央部をよく見ると、石切屋「万忠」の屋号と、お地蔵さんが掘られているので、注意して見てみよう。

岩舞台(石切り場跡)

私が鋸山で一番好きなスポットが「岩舞台」である。
コの字型に切り抜かれた断崖は、ちょっとしたホールのようで独特の空間が作り出されている。

この周辺の石切り場は「芳家石材店」が運営していて、かつて使われていた重機がいたるところに点在しその遺構を見ることができる。



ゆっくり観光して、登山開始から2時間。
「関東ふれあいの道」と「日本寺」(地獄のぞき方面)へ続く分岐点に到達。

ラピュタの壁(石切り場跡)

垂直の高さが96メートルもある石切り場跡、ラピュタの壁。

外側から見ると、その断崖の凄さがわかりやすい。

ラピュタの壁からすぐ近く、日本寺の北口管理所の入り口に到着。

看板の右手、垂直の壁には様々な彫りもの(落書き?)を見ることができる。

上部に「明大 1937.8.15 佐藤 大角(六角?) 伊藤 渡辺」と刻まれている。
昭和12年は中国で盧溝橋事件が発生し、戦争の時代へ突入した年。

日本寺の境内へ(有料ゾーン)

日本寺境内へは「大人¥600・小人:¥400」の入場料を支払う。

百尺観音像

6年の歳月をかけた作られた、高さ百尺(30m)の観音像。
陸海空の交通の安全を守るご本尊として崇められている。


百尺観音を通り過ぎると、高く広い「切り通し」が現れる。
遺跡を探検しているような雰囲気があり、好きなスポットの1つ。

後ろを振り返ると「地獄のぞき」を下から覗き見ることができる。

切り通しを抜けると左手に階段が現れる。この階段を登ればいよいよメインスポットへ到着する。

地獄のぞきから見える東京湾

結構なしんどさのある階段を登り、ようやく山頂が見えてきた。

地獄のぞき

瑠璃光展望台の奥へ行くと、鋸山のメイン観光スポット「地獄のぞき」が見える。
崖の下の部分がエグれていて、今にも崩れそうな雰囲気。

奥には東京湾が見える絶景。

下から見ても、その危うさがわかるだろう。

ここも元々は石切り場の跡で、岸壁に「久」という石屋の屋号が掘られているので、注意深く見てみよう。
(夏場はツタで隠れていることが多い)

地獄のぞきは、先端のギリギリまで歩くことができる。
土日になると長蛇の列ができるので注意しよう。

上から地獄をのぞいてみると、さきほど通った北口管理所と百尺観音がある場所が見える。

東京湾の絶景

地獄のぞきの奥、少し高台を登った場所から見る東京湾は絶景なのでお勧めしたい。
北西側に目をやると、海の向こう三浦半島が霞んで見える。
手前の金谷港から久里浜港へフェリーが出航している様子がみえる。

天気にや空気の澄み具合によって、対岸の富士山が見える。
(山の夜道は危険なのでこの時間帯まで山頂に居てはいけません。)

南側に目をやると、保田の街並みと房総半島の様子を見れる。こちらも絶景。


絶景エリアを後にして、南側の階段をくだる。日本寺大仏方面へと向かう。

乾坤山日本寺(けんこんざんにほんじ)

鋸山と羅漢石像群

山頂展望台エリアから階段を降りてしばらくすると、おびただしい程の石像が目に入る。

「東海千五百羅漢」と呼ばれる石像が置かれている。
上総櫻井(木更津)の名工、大野甚五朗英令が、21年間(1779年〜1798年)かけて弟子と共に
1,553体の石像を刻んだと言われている。

首のない石像が多く目につき、不気味に感じることが多々あった。
これは明治維新後の「廃仏運動」によって破壊されたもの。(※鋸山日本寺案内図より)


一通りの観光が終わり、大仏口管理所にたどり着いた。

日本寺大仏(薬師瑠璃光如来)

鋸山、メインの観光スポットの一つである「日本寺大仏」。
坐像としては、奈良の大仏を超えて日本一の大きさ(31m)を誇る。

正式名称は「薬師瑠璃光如来」。
戦傷を癒すといわれていて、左手に薬壷を持っている。

頼朝が植えた「大蘇鉄」

樹齢650年と言われる大蘇鉄。
源頼朝が武運を祈願して手で植えたとされる。

保田方面へ下山

仁王門を抜け、おおむね日本寺・鋸山の観光を終えた。
登山をはじめてから、3時間半ほど経過しただろうか。

歩いて保田駅方面へと向かう。

海が近いので、ゆっくりと海沿いを歩くのをお勧めしたい。
奥の山は保田側から見た鋸山。

夕暮れの時間帯の保田海岸は強くおすすめする。運がよければ富士山が美しく迎えてくれるだろう。

「漁協直営食堂ばんや」でご飯と温泉に入ろう

保田の大型食堂でおすすめのお店「ばんや」がある。
漁協直営なので、毎日新鮮な海鮮を食べることができる。

私がよく注文するのが「漁師まかない丼」。
今日のネタは「ビンチョウ」「クロダイ」「スズキ」「カツオ」。

固定メニューもあるが、その日水揚げされた魚により看板のメニューが変わる。やや観光地価格。

食べ終わったら、併設の「高濃度炭酸温泉(人工)」に浸かり、疲れた体をしっかりと癒そう。

旅の終わり〜保田駅から東京へ

保田から東京へ、1時間に1本の電車で帰り、この旅を終える。

鋸山登山・車力道コースのまとめ

という事で、鋸山登山道の車力道コースから入山した、おすすめルートを紹介した。
このルートは、友人を連れ何度もこのコースを行ったが、みんな大満足で帰っていった記憶がある。

本ブログを参考に、みなさんの充実した鋸山ハイキングを願ってやまない。

以上、鋸山車力道の紹介でした!

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