KENJI HIROTA PHOTOGRAPHY

房総半島カメラマン・ヒロタケンジ

【カリマ(Karima)】はじめて捧げるアッラー(神)への祈り

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約4分


世界放浪2年の終盤、アフリカ大陸の灼熱の国「スーダン」を旅していた。
エジプトでは焦げ茶色だった人々の肌の色は、スーダンに入ると黒の濃しアフリカ感が増してきた。
周辺の景色も、砂漠特有の殺風景な景色が続き、見慣れて(見飽きて)きた頃でもあった。

スーダンに入国して二つ目の街ドンゴラの町歩きを終えて「カリマ」という街へ行く。
そこにはスーダン製のピラミッドがあるとのことで、観光をしてみることにした。

・本記事は、2015年7月に旅した情報を元に作成しています

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ドンゴラ(Dongola)からカリマ(Karima)へ

▼放浪576日目 2015/7/6(月)
ドンゴラの町歩きを終えた私は、暑さに悶えながら次の街「カリマ」へと旅立つ。
20ポンド(¥260)。

小さなバンに乗り込み、携帯アプリを見ながら目的地へ向かっているかを確認すると、どんどんと目的地から離れていく。なぜだ。
30分後、停まった街の名前は「カルマ」。私が行きたかった街は「カリマ」。
全然違う場所についてしまった。

またバスを待ち、かなりの時間をロスしながら夕方の時間「カリマ」に到着した。

酷暑とゴキブリのカリマの安宿

カリマではシンプルな宿に宿泊した。
名前と場所は失念したが、至極殺風景な宿で、客は私一人のようだ。

ある時、ボットントイレで用をたしていると穴からゴキブリが3匹ほどが這い出てきて、うおおおおおお気持ち悪いぃぃ!と叫びながら、耐えて用を済ませた思い出の宿である。

カリマの町歩き

カリマに到着したのは、ずいぶんと日が暮れてしまった時刻。
土煙と夕暮れが美しい。

イフタールと祈りの時間

カメラを片手にふらりと歩いていると、前の街と同様イフタール(断食後の食事)に遭遇した。
「アッサラーム、アレイコム」
食事をしている彼らに胸に手をあて、イスラム教の挨拶をする。

彼らは笑顔で「ワーレイコムアッサラーム」と返し、手招きをして、一緒に食べようと誘ってくれた。

よく見るとムサカ(ナスのシチュー)があるではないか。
これはエジプトやイランでハマり大好きになった食べ物。
隣にはデーツ(ナツメヤシ)もある。栗のような芋のような甘さの強い食べ物。
わたしは前のめりで勢いよく頂いた。

食べ終わると、みんなが立ち上がった。
食事を誘ってくれた優しげなスーダン人が、立って君も祈りなさいと促す。

おお。。。
わたしは、これまで多くのイスラム教の国、カシュガル・ウズベキスタン・イランのモスクなどを巡ってきたが、
自分が実際にアッラー(神)に祈りを捧げた事はなかった。
いや、そもそも信仰心もないのに祈ってよいものなのだろうかと、戸惑ってしまう。

ゴザの上に立ち、全員がメッカ(サウジアラビアの聖地)の方向に向かい立つ。
人々は何かを唱えているが、私にはわからない。
今度は、ひざまずいて土下座のような体制になり、頭を地面につける。
ゆっくりと体を起こして立ち上がり、祈りを捧げる。
これを何度か繰り返した。

横にいるスーダン人の動きを横目で見ながら、見よう見まねで動作して、祈りの時間を終えた。
無宗教の人間が、意味もわからず祈りを捧げてよいのもだろうか。
冒涜にはならないだろうかと、心配しながら皆に別れを告げた。

宿へと帰る道の、陽気なスーダン人たち。

ミニピラミッドとジェベル・バルカルへ

▼放浪577日目 2015/7/7(火)
蒸し暑い部屋で汗だくになりながら起床した。

カリマでは観光の目的があり2泊するつもりであった。
ひとつは「ジェベル・バルカル」。ひとつは「ミニピラミッド」。
エジプト以外にもピラミッドがあると知り見てみたいと思っていた場所。

しかしあまりの暑さに熱中症で具合が悪くなるのだが、それは次回につづく。

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