KENJI HIROTA PHOTOGRAPHY

房総半島カメラマン・ヒロタケンジ

【州都ドンゴラ】内気な自分にグイグイくる陽気なスーダン人

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約4分


世界放浪2年の終盤、わたしはアフリカの砂漠の国「スーダン」を旅していた。
国境を超えて最初の街ワディハルファの青空ベッドに驚きながら、思いのほか快適な一夜を明かした私は、次の街「ドンゴラ」行きのバスへ乗り込む。

・本記事は、2015年7月に旅した情報を元に作成しています

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アディハルファからドンゴラへ

▼放浪575日目 2015/7/5(日)
スーダンに入国して二日目を迎えていた。
茶色い砂漠地帯の景色のワディハルファを後にして、次の街「ドンゴラ」へと進む。

バス代は80スーダンポンド(¥1040)。
約400キロの道のり。
11時半頃に出発し、空が茜色になりだした17時頃、ドンゴラに到着した。

ドンゴラの安宿「AL MUALLEM HOTEL」

ドンゴラで宿泊したのが「AL MUALLEM HOTEL」。
バスステーションからかなり歩いたが、到着してみるとコンクリート造りの立派な建物。
1泊120スーダンポンド(¥1,600)。
本当は¥1,000以下の安宿に泊まりたかったが、探すのも面倒でここに決めた。

ドンゴラの町歩き

宿に荷物を置いて、ドンゴラの街を歩いてみた。
小さな商店が並び、白いワンピースのような民族衣装をまとった人々が行き交う。
彼らからの視線を浴びて、少し緊張しながら歩く。


ドンゴラで夕食

ちょうど腹が空いてきたところで、食堂に入りご飯を食べることにした。
この時期のスーダンは、ラマダン(断食月)の最中で太陽が沈むまで食事と水を摂取しないイスラム教の風習がある。
昼間はほとんど閉まっていることが多いが、ここは運良く開いていた。

品目は、スーダンおなじみの「フール」。豆を煮込んだ料理。
コーラと一緒に注文して13スーダンポンド(¥169)。

食事は彼が提供してくれた。とてもノリが良い。

人懐っこいスーダン人

街を歩いていると、極東からきた異邦人の私を珍しい目で見てくる。
ただし、その目は嫌なものではなく、笑顔と好奇心を含んだもの。

向こうから積極的に声をかけてくれて、大きなカメラを持っているのをみるや、撮って撮ってとせがまれる。
私は人と距離を測って接するタイプなので、親しく声をかけてくるスーダン人にとまどいを覚えてしまう。

とまどう私にお構いなく、彼らは積極的に話しかけてくれる。なんというか壁がない。

人との接し方や、人目を気にしにしてしまう内気な性格の私にとって、スーダン人の明るさや気さくさは、自分に取り入れたい性格である。

もっと気楽に、楽しんでいいんだよ!とスーダン人は教えてくれる。


ドンゴラの郊外へ

ご飯を食べ終わり、宿に戻りながらドンゴラの郊外を歩いた。

車はそれほど多くなく、静かな街。


ラマダンの一日が終わりイフタール(夕方の食事)がはじまる

夕日が沈み、黄昏の時をむかえる。
ミナレット(塔)から、日の入りを告げるアザーンが町中に鳴り響く。

『アッラーフ・アクバル』
『アッラーフ・アクバル』
『アッラーフ・アクバル』
『アッラーフ・アクバル』

【アッラー”神は”偉大なり】
中央アジアから中東を旅していた数ヶ月、ずっとこのアザーンを聴いてきた。
このアフリカの地で、またイスラム圏に入りアザーンを聞けるとは思わなかった。
異国に来ているという空気をまとい、旅情をかきたててくれる。

イフタールをしている家族

ホテルへ帰る途中、道の真ん中で地べたに座り人々が集まっている様子が目に飛び込んできた。

近づいてみると、ゴザを敷いて食事をしている。
笑顔で手招きをされ「一緒に食べよう(^O^)」と言っている。

すでにご飯を食べてしまった事と、人がいっぱい居て緊張してしまい、
反射的に「お腹いっぱいだし大丈夫!」と断ってしまった。
わたしは意気地が無い。

他の場所でも家族が食事をしていた。なんとなごむ風景。
明日の食事はイフタールにしよう、と心に決めた。

ドンゴラの街をあとにする

▼放浪576日目 2015/7/6(月)
翌朝目が覚めて、見晴らしの良いホテルの屋上から通りを眺める。
ドンゴラは州都で、このあたりでは最も栄えている街。

外国人はスーダンに入国してから3日以内に外国人登録を行わなければならない。
前の街、ワディハルファで断られ、今回のドンゴラの警察署でも断れてしまった。
今日で入国して3日目の期限。次の街でできるだろうか。

それにしても朝起きてから少しだけ喉が腫れているのがわかる。
風邪だろうか。宿で休憩し、お昼頃次の街カリマへと移動する。

つづく

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