KENJI HIROTA PHOTOGRAPHY

房総半島カメラマン・ヒロタケンジ

屋久島移住者の電気もガスも使わない自給自足の生活に憧れて

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約6分

九州・鹿児島にある屋久島へ、友人を訪ねに7日間程旅をしました。
神秘的で美しい森や、ローカルで生きる移住者の人々との出会いがありましたのでレポート致します。

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東京の友人が屋久島へ移住した

5年前に東京で知り合ったプログラマーの友人(匿名希望)は、それまでのキャリアを捨て屋久島へ移住してしまった。
一体彼は何をしているのか?と思いながらインスタグラムを見ていると、土地を造成したり魚を採ったり、なんとも楽しそうな生活をしているではないか。

@snit25が投稿した写真

楽しそうなアンテナを張り巡らしていた私はそれを敏感にキャッチすると、導かれるように屋久島へ訪れてしまった。
久しぶりに再会を果たした友人の変化は、短く切りそろえていた髪が伸びているくらいなもんで、性格や印象は昔のまま変わらず、つい数ヶ月振りの再会のような錯覚を覚えた。

 

圧倒的な自然に囲まれた屋久島

4年ぶり2度目の屋久島。
前回は縄文杉や白谷雲水峡など屋久島の代名詞的な場所へ行った。
今回友人に案内して貰った屋久島も、やはり昔と変わらない大自然が広がっていた。

ご神木級の大木が周囲を取り囲むように存在し圧倒されたヤクスギランド。
そこにびっしりと生える苔群を見て時の積み重ねを感じ、ああこれは何千年も変わっていない景色なのだと太古の時代に思いを馳せる。
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車通りの多い道から、暗い藪の中へ進み坂道を転がると、一気に空が広がり現れた川。
人の背丈を越える大きな岩がゴロゴロとして、その規模と迫力にこれまた圧倒される。
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引き潮の時にのみ現れる、平内海中温泉。
混浴でモジモジしがりながら入浴したものの、もはや2度目以降は見られてもいいか!と、どうでもよくなる程の開放感に包まれた。
夕暮れ時には夜空を見て湯船の中に押し寄せる波にはしゃぎながら、大いなる地球を裸で満喫した。

*実際に入ったのは別の温泉ですが
*実際に入ったのは写真とは別の温泉です
 
観光スポットから少し離れた白浜で、波の音を聞きながらしばし黄昏た。
普段の生活にちょっと足を伸ばしただけで大自然がすぐにある。屋久島、なんて素晴らしい環境だろうか。
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自然の恵みをいただく

友人の家では手料理を頂く事が多かった。
庭で採れた里芋と人参と金時草(ハンダマ)のパスタ。里芋のとろみがなめらかで美味しかった。
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里芋と人参とその葉(茎?)の炊き込みご飯。苦味が効いていて美味い。
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初日に見た生々しい鹿の解体。そこから作られる鹿肉料理はどれも絶品だった。
焼肉やカレー、骨を煮出したスープから作った「鹿骨ラーメン」など、どれも唸り声をあげてしまった。
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フルーツも安くて美味しい。パッションフルーツやマンゴー、ドラゴンフルーツなどが、数百円で購入できる。
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タンカン、パッションフルーツ、ドラゴンフルーツのミックスジュースは、コンビニで買うジュースでは絶対に出せない酸味と甘味であろう。
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電気もガスも無い生活を送る青年

匿名希望の友人と解体した鹿肉を一緒に食べようと、A君の家へ行くことになった。
鬱蒼とした森が生い茂る細い山道を車で上り、中腹にある開けた場所に到着した。

果物の木が並び、その奥に可愛らしい小さな家があった。
手作りで、しかもほとんど貰い物で作った家だそうだ。
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奥にはキッチンが併設されている。
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驚いたのはその生活振りであった。
解体した鹿肉を調理する為、竃(かまど)に薪を入れて火を起こす。
別の鍋に米を入れ、近所から汲んだ湧水で米を炊いた。絶品である。
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この日は友人が車に積んだバッテリーで電気を使ったが、普段A君は電気もガスも無い生活をしているらしかった。
煙に巻かれながら苦もなく淡々と料理をする彼の姿に、私はとても感銘を受けてしまった。
 

数日後に呼ばれた畑仕事では、蕎麦の収穫とさつまいもの収穫を手伝った。
自然に触れながら体を使う仕事はとても自分に合っているようで、とても清々しい気持ちになる。
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少年の目をしたナイスミドル

屋久島を安住の地と決めた50代の少年の目をしたおじさまに出会った。
彼は海沿いに土地を購入し家を建て、自分の土地で畑やフルーツを育てていた。
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奥に広がる森林をチェーンソーで切り倒しながら、更に土地を広げているようだった。
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仕事の合間にカヌーに誘ってくれた。
静かな川と遠くに見える山々に癒されて大自然を楽しませてもらった。贅沢すぎる時間だ。
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不便だけど豊かで偉大な自然と生きたい

九州から屋久島の旅を振り返り、自分も「自然と共に暮らしたい」という気持ちが強くなった。
最近の自分の心動く事が、家づくりだったり、リノベーションだったり、畑仕事だったり、物作りの事ばかりである。

東京で生まれ東京で育った私でさえ、なんだか都会は人や物や情報やらが溢れ過ぎで嫌になってくる。
もはや東京は住む場所では無いという気持ちもある。(かつて住んだ船堀とか尾山台は除く)
そんな長い東京の生活でこびりついていた、無駄な何かを今はそぎ落とす段階なのかもしれない。(ついでに所持金も削ぎ落としている)

屋久島は自分の理想的な生活をしている人が多く、ワクワクが止まらなかった。
いまも金谷で楽しく生きているのだけど、もっと心がドキドキし前のめりになる生き方を目指して、これからも生きてまいります。
屋久島で生きるのも、アリだ。

そしてこの旅から数ヶ月後、私は「パーマカルチャー」に影響を受ける事になったのです。

感動した生き方「パーマカルチャー」とシャロムヒュッテでの暮らし


 
以上、ご拝読頂き、ありがとうございました。

屋久島編 完
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屋久島の行き方

東京の成田空港⇄鹿児島空港(Jetstar)で往復¥13,000。
鹿児島空港からフェリー乗り場までバスで¥1,230。
最安値のフェリーは1日1本。往復で¥8,400。

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