世界放浪2年間の旅で最も心を熱くさせてくれた、スペイン巡礼31日間の旅の記録10〜11日目です。
今後巡礼する人や興味がある人へ向けて、旅の情報を記録しています。
サンティアゴ巡礼ってなんなの?という人は、以下の記事をはじめにご覧くださいませ。
※スペイン巡礼31日間!絶景・友情・感動の780キロを超えたサンティアゴ巡礼の費用と絶対に行くべき5つの理由
※冬のスペイン巡礼-準備編・旅に必要な持ち物や情報
・本記事は、2015年1月~2月に旅した情報を元に作成しています
10日目・レデシリャ・デル・カミーノ(Redecilla del Camino)
▼放浪406日目 2015/1/17(土)
今日は賑やかな朝だ。
巡礼初日に出会った韓国人3人や、日本人2人・スペイン人と共にワイワイと宿を出た。
今日は、レデシリャ・デル・カミーノ(Redecilla del Camino)から、ビジャフランカ・モンテス・デ・オカ(Villafranca Montes de Oca)の28キロ。どちらも舌を噛み千切りそうな長い名前だ。
スペインは歩いているとバル(食堂と酒場とカフェが一緒みたいな飲食店)をたくさん見つけることができる。
常に疲れている私は、いつ休憩しようかという事で頭がいっぱいである。小さな町を通ると脊髄反射でいつもバル(カフェ)を探してしまう。
発見しようものなら、吸い込まれるように扉を開けてお店に倒れこみ、脱力した体に鞭を入れてお店の邪魔にならない場所へ荷物を降ろす。
「うわあああああっ!」とため息を出しながら、どっかりと椅子に座り頼んでいたカフェオレをすする。
たっぷり砂糖を入れた甘さこってりのカフェオレが、体の毛細血管の隅々まで行きわたるように流れこむ。
ああ、みるみると疲れが取れていく。
また、もうすこし歩けそうな気がしてくる。
夕方、目的地である「ビジャフランカ・モンテス・デ・オカ」に到着した。
後半は吹雪と晴れの繰り返しが凄かったが、エキサイトして楽しめた日でもあった。
到着した宿は広く清潔で居心地が良い。
奥では沢山の人々がパーティーをしているようだが、私は騒がしいのが苦手なので早々に眠りについた。
巡礼10日目。毎日もう限界だ限界だと言いながら、御飯とシャワーと睡眠でまた翌朝頑張れてしまう。しかし、こんなに巡礼が厳しいものだったとは想像つかなんだ。今はただひたすら歩くのみ。日に日にどんどん寒くなる。明日は山越えがある。どこまで行けるだろうか。怪我の無いよう一歩一歩歩こう。
— ヒロタケンジ@金谷 (@piroken1980) 2015年1月17日
歩行距離・・・・・・24.6キロ(残り532.1キロ、累積248.4キロ)
使ったお金・・・・・18ユーロ(宿7ユーロ、食11ユーロ)
11日目・ビジャフランカ・モンテス・デ・オカ(Villafranca Montes de Oca)
▼放浪407日目 2015/1/18(日)
さあ今日は、山越えと長距離の厳しいルートで、大いなる気合いが必要だ。
ビジャフランカ・モンテス・デ・オカ(Villafranca Montes de Oca)から大都市のブルゴス(Burgos)へ40キロを歩く。
高低差もなかなかである。街を出るとすぐに山道に突入する。
標高が高いからなのか、それとも季節のせいなのか場所によるものなのか。道には雪が目につくようになってきた。そして当然のように寒い。
さらに坂道も厳しい。大きな荷物を背負いながらだと、より足や肩に重さが響き渡る。
ゆっくりと、皆についていくのに必死である。待ってくれ。。
そして、疲れた体のちょうど良い場所にバルが待ってくれる。唯一知っているスペイン語で店員に言う。
「カフェコンレチェポルファボール(カフェオレください!)」
天気が悪いと思っていいたら、雪が降ってきた。
止んだり降ったりを繰り返しながら、ただただ歩く。
お昼を回った頃15キロ地点の「Ages」の街に到着した。あと23キロ、果てしない。
まだあまりに遠いので、韓国人の二人は途中からタクシーを使ってブルゴスまで行くようだ。
バスやタクシーを使うことは巡礼では許されている。
しかし乗り物に乗る行為は自分の中のルールにはなく、ひたすら歩く。
ようやく目的地であるブルゴスの街並みに入り、希望の光が注いできた。
背中も足も、ボロ雑巾のようにクタクタである。
夜19時、やっとブルゴスに到着した。
この看板を見てほっとしたが、宿まで更に1時間も歩く事をこのあと知る。
雨も降ってきた。
雪ならまだいいが、雨はとても寒くて冷える。
下を向いてただひたすらに歩く。いや、ただ足を前に振り出す。
20時半過ぎ。ようやくブルゴスのアルベルゲに到着した。
すべてやりきった。もう何も考えられない。満身創痍である。
ここのアルベルゲはエントランスからキッチン、すべての設備が綺麗である。
もう疲れて歩きたくないのだが、腹は減っているので食べに行かねばならない。
夜も遅く、店はほとんどシャッターが閉まっていたがそれでも開いている店を見つけて入った。
宿に戻り、足を引きずりながらシャワーを浴びて1日を終えた。
一日に歩ける限界を超えた日
20キロ以上の荷物を抱えながら、40キロという長さをなんとか乗り越える事が出来た。
街に着いてからは、何も考えられず死んだように歩きそして歩ききった。
その代償として足が鬼のように痛い。
一度休めてしまうと筋肉が固まるからか、更に痛みが増していく。
この状態で明日歩ける自信がない。
ブルゴスで観光してゆっくり過ごそうか・・・。
まあ明日の事は、明日考えればいい・・・。今日は思う存分眠ろう。
つづく
歩行距離・・・・・・39.6キロ(残り492.5キロ、累積288キロ)
使ったお金・・・・・6ユーロ(宿5ユーロ、食1ユーロ)