▼放浪319日目 2014/10/22(火)
若者集団に囲まれ疲れがどっと出たケルマンシャーの街を後にし、バスで次の街ハマダーンへ向かう。
イランのバス移動で気付くのが、宗教上の理由で席順が男女隣同士になら無いという事だった。
男性客の隣が空席で女性が入ってきたとして、わざわざ席替えをするくらいにそれは徹底していた。
私も以前、座っていると運転手と乗客から何やかんやと席を空けろと言われ、首を傾げながら移動した事があった。
最近は心得たもので人に言われる前に、自ら席替えをするくらい物わかりの良い男になった。
ハマダーンの宿「Ordibehesht Hotel」
安宿探しにかなり時間がかかり、4時間程歩きまわってなんとか見つけたのが「Ordibehesht Hotel」。
一泊40万リエル(約1400円)。Wifi有。スタッフも親切で部屋も清潔で申し分ない宿であった。街の中心であるイマームホメイニー広場からほど近い。
(Google Map→ https://goo.gl/maps/YFG3WiGVJSx)
ハマダーン観光・「アリサドル洞窟」
▼放浪320日目 2014/10/23(水)
今日も珍しく観光へ出掛ける。
インターネットで観光情報を調べると、バスで2時間の場所に評判の洞窟があるとの事で訪れる事にした。
朝8時半にバスを出て、乗り換え時間を含めて2時間半程で「アリサドル洞窟」にたどり着いた。
立派なエントランスが出迎えてくれた。結構高い入場料45万リエル(約1570円)を支払う。
奥にボート乗り場があり、順番待ちで並ぶ。
どこにでも居るはずの欧米人観光客は見かけず、家族連れのイラン人観光客が多いようだ。
ライトアップされた洞窟内をボートでゆっくりと進む。
洞窟を船で行くのはラオスにあったコンロー洞窟を彷彿とさせた。(その時のブログ)
ここは羊飼いの少年が、迷える羊を追いかけて偶然発見された洞窟らしい。
ちなみに先頭のボートに乗る人は、自分の足で漕がなければならない。
初めの方は楽しく漕いでいられるが、後半はペダルの重さが足に負担をかけて、観光を楽しめなくなる程に疲れてくる。
入場料も結構高いしバスで時間をかけてまで来る所じゃなかったか、と思いつつ街へ戻る事にした。
洞窟なんて非日常の世界でワクワクドキドキしても良いはずなのに、心動かざること山の如しであった。
ハマダーン観光・「エクバタナの丘」
街へ戻ると時間はまだ14時であった。
近場の観光地、エクバタナの丘へ行くことにした。
入場料15万リエル(約520円)を支払う。
アケメネス朝時代に発展した都の遺跡らしい。
やはり興味がそそられる事は無かったが、敷地内には博物館が併設されていて、出土品などが展示されていた。
古いお皿やコインを見ると、その時の生活振りが想像されるようで、これはこれで以外にも楽しむ事が出来た。
自分に感動した瞬間
ハマダーンでの観光を一通り楽しんだ私は、宿へ戻りロビーで携帯を弄っていると、
ファミリーのお客さんが、話しかけてくるでもなく遠巻きにクスクスしながら、ジッとこちらを見ている。
変な雰囲気が面倒だったので、こちらから話しかける事にした。
「サラーム!(こんにちは!)」「ハーレーショマー?(元気?)」
「マンアズジャーポン!(僕は日本人だ!)」「エスメショマーチェ!?(あなたの名前は?)」
「チャンサレター?(年はいくつ?)」
「ホレシュテバーデムジャーンドゥーストダーラム!(ナスのシチューが好きです!)」
一か月ほどの滞在で、ある程度のペルシャ語はメモを見なくても言えるようになっていた。
この少ない単語を発するだけで、かなり喜んで貰える。
イラン人との会話が楽しい時期でもあった。
ある時、バスの待合所で隣の男が「サーアテ チェ?」と声をかけてきた。
咄嗟に頭の中で「サーアテ」=時間。「チェ」=何?だから、「今何時?」って聞いてる!
すぐさま携帯を取りだし時刻を教えてあげると、男は「メルスィ」と言って立ち去っていった。
「おおおおおお」
個別に覚えていた単語が組み合わさり、その言葉を聞き取り理解できて、要望に応える事が出来た。
とてもシンプルな出来事ではあるが、己の中に静かな感動が起こった瞬間であった。
明日は次の街、首都テヘランへ移動する。
つづく