KENJI HIROTA PHOTOGRAPHY

房総半島カメラマン・ヒロタケンジ

冬のサンティアゴ巡礼[22〜24日目]ビジャフランカ・デル・ビエルソからルイテランで疲れに慣れた身体

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約6分


世界放浪2年間の旅で最も心を熱くさせてくれた、スペイン巡礼31日間の旅の記録22〜24日目です。
今後巡礼する人や興味がある人へ向けて、そしてもう一度脳内で旅をしたい自分の為に情報を記録しています。

サンティアゴ巡礼ってなんなの?という人は、以下の記事をはじめにご覧くださいませ。
スペイン巡礼31日間!絶景・友情・感動の780キロを超えたサンティアゴ巡礼の費用と絶対に行くべき5つの理由
冬のスペイン巡礼-準備編・旅に必要な持ち物や情報

・本記事は、2015年1月~2月に旅した情報を元に作成しています

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サンティアゴ巡礼22日目の朝

▼放浪418日目 2015/1/29(木)
疲れでフラフラの身体で雪の積もる峠道を歩いていると、ゴーストタウンのような町「フォンセバドン」があった。
町自体は人影がなく静かそのものだったが、暖炉のある暖かい山小屋が迎えてくれた。
そこで巡礼中に出会った仲間たちと賑やかな夜を過ごす。(*前回の記事

翌朝になり同部屋の人々が準備する音で目がさめた。
眠気まなこで外へ出ると、冷たい風が体に刺さってくる。
そして東の空に、朝焼けが美しく燃えていた。

寒さに体を震わせながら、出発の準備をする。
今日はフォンセバドン(Foncebadón)からポンフェラーダ(Ponferrada)までの27.4キロを歩く。

誰もいない静かな(不気味な)町を通り過ぎ山道を進む。

今日も変わりやすい天気で、ついさっきまで朝焼けが見えたのにあっという間に霧に包まれてしまった。
この濃い霧はあれだ。ホラーゲーム「サイレントヒル」だ。ゲームの主人公になったような気分で歩く。


フォンセバドンから2キロほど進むと、鉄の十字架(Cruz de ferro)と呼ばれる聖地が現れた。
十字架の下に、願い事を書いた石を置くとそれが叶うという。

前日の宿でアメリカ人女性が石を削って何かを書いていたのを思い出した。何をしてるのか気になっていたが、この為だったのかと理解した。
どうやら有名スポットらしきこの場所も、歩くだけで精一杯で精神的余裕のない自分にとって、関心なく素通りしてしまった。

鉄の十字架からしばらく進むと、山越えが終わり下山道になる。
下り道は足を踏ん張るので身体に負担がかかるが、スピードが出るので気分は楽だ。

午後になると雨が降り出してきた。
雨は体の気温を奪うし濡れるしで、心身のエネルギーを奪っていく。

Photo by cats
Photo by cats

夕方頃、ポンフェラーダの街に到着した。
今日は雨が降り、風で傘が壊れてもう疲れた。
レストランに入ってたっぷりの肉料理とワインを飲み、1日を終えた。

巡礼22日目データ
歩行距離・・・・・・27.4キロ(残り209キロ、累積571キロ)
使ったお金・・・・・26.4ユーロ(宿10ユーロ、食16.4ユーロ)

サンティアゴ巡礼23日目の朝

▼放浪419日目 2015/1/30(金)
この日はポンフェラーダ(Ponferrada)から、ビジャフランカ・デル・ビエルソ(Villafranca del Bierzo)の22キロを進む。

今日は朝から雨が降っている。
これまでカメラを小脇に抱え歩きながら巡礼路の写真を撮っていたが、雨の日はバックパックの奥に仕舞いこむしかない。
なのでこの日はほとんど写真を撮る事はなかった。

黙々と歩き15時頃、「ビジャフランカ・デル・ビエルソ」の宿に到着した。
雨の日は体も重く、体も冷えて疲労感がものすごい。

山小屋のような宿には沢山の巡礼者たちがいて、みんなと食事をした。
日本人や韓国人、スペイン人やアメリカ人など、片言の英語での交流が楽しい。(自分はあまり喋らないが)

これから日本へ観光へ行くという二人。私は日本にいないので案内出来ないが、来てくれるのはとても嬉しい。

食事の後、宿にいた日本人女性の誕生日会が開かれた。甘いケーキが五臓六腑に染み渡る。

歩いて、寝て、食べて、歩いてというルーティンを無心でこなせるようになってきた。
疲れとか痛みを毎日繰り返す事で、身体が慣れてきてしまっているようだ。
この巡礼も残り180キロ。いつのまにか後半に差し掛かっているが、目の前の街を一つ一つ進むしか無い。明日も頑張ろう。

巡礼23日目データ
歩行距離・・・・・・27.4キロ(残り186キロ、累積594キロ)
使ったお金・・・・・18.5ユーロ(宿17ユーロ、食1.5ユーロ)

サンティアゴ巡礼24日目の朝

▼放浪420日目 2015/1/31(土)
重苦しい体を動かして、朝の支度をする。
トーストにジャムを付けた簡単な朝食を食べる。

ビジャフランカ・デル・ビエルソ(Villafranca del Bierzo)からルイテラン(Ruitelan)までの20キロを進む。

雨こそ降らなかったが、国道や街中が多く景色的な見所が少ない道であった。

興味の湧かない景色は、写真を撮る枚数も少なくなる。

午後の早い時間に20キロも歩けばいいだろうとルイテランという町で一泊する事にした。
日に日に早いスピードで歩けているような気がする。
宿にチェックインして居心地の良さそうなベッドを選ぶと、たっぷりとゴロゴロする。至福の時間である。

続々と昨日会った巡礼仲間が到着してきた。

こじんまりとした宿で、今日もみんなで食事をする。
栄養満点のサラダやスープ。特にこのカルボナーラが絶品で腹を一杯にして食べた。

明日は、カミーノの中で最後の難所と言われている「オ・セブレイロ峠」を歩く。
標高差800Mもあり距離も長いようだが、先の事は考えられない。
今は、今日の疲れを取る事しか考えられない。
泥のように眠りについた。

巡礼23日目データ
歩行距離・・・・・・22.7キロ(残り165.7キロ、累積614.8キロ)
使ったお金・・・・・18.5ユーロ(宿+飯19ユーロ、食0.9ユーロ)

つづく

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