KENJI HIROTA PHOTOGRAPHY

房総半島カメラマン・ヒロタケンジ

【車中泊快適化大作戦】軽自動車(軽バン)フラット化してマットレスと棚をDIYして旅に出た

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約9分

先日ペーパードライバーである私が、友人から安く車を購入しました。
累計12万キロ走った、軽バンのマニュアル車。

そして、気づいたのです。
これはもはや移動出来る部屋じゃないか!と。

思い立った私は、住んでいるシェアハウスを退去し、2018/2/1から庭に駐車して、寝袋を使い車中泊生活をはじめました。

シェアハウスの座布団を借りて上に寝る。起きると座布団がズレてしまうのが難。

なぜこんな酔狂な事をはじめたのかというと、昨年出版社から日本の各地域を巡ってある題材を撮影してほしいという仕事の依頼が入ったのです。
数回の打ち合わせを経て、2018年3月から念願だった旅をしながら仕事をするが実現する、その準備も兼ねていました。

ただカメラ機材や洋服などを置くと、寝るスペースが限られてしまう。
そうだ、ベッドを作り下に荷物を入れる空間を作ってしまおうか!と思い立ったのです。

結果的に、ベッドにするのはやめて棚にしたのですが…以下にどのようにして軽バンを車中泊を出来る仕様にしたのかを、まとめてみました。
車中泊を考えている人、DIYに興味のある人は、ご覧くださいませ。

車中泊に関連した、以下の記事も合わせてご覧ください。

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中古で買った軽バン「ダイハツ アトレーワゴン」

友人から購入した中古車は、ダイハツ アトレーワゴン
12万キロ走っているマニュアル車で、運転手を除き4人まで乗ることができる。
見た目とか色とか、そんなに好みではないが走行機能には問題はない。

車中泊をする中で、私は以下の条件を求めた。

・足を伸ばして安眠できる事
・カメラ機材や衣類などを積めるスペースがあること
・後部座席を簡単に使えるようにできること

アトレーワゴンのベッド棚作りの準備

要件が決まり、いよいよベッド棚を作る。
以下に作業をした行程を書いていく。

① イメージ図を描く

まずはざっくり適当に、自分の理想のイメージ図を描いた。
この時は足を折りたたんでコンパクトに出来たらと願っていた。
※折りたたみの脚は、技術的な問題から断念

下手くそな絵で計画を練る

② 車内の寸法を測った

購入する木材がどのくらいの長さが必要かを知る為、メジャーを使い車の寸法を測る。
車の一番狭い部分と、後部座席を出し入れした状態でも計測。(気持ち大きめに計測)

③ コンピュータで設計図らしきものを作る

専門学校で3DCGを学んでいた経歴から、物体を立体的に捉える事は得意だ。
無料で3Dのモデリングが出来る「Tinkercad」を利用して、イメージを起こした。(※コンピュータでやる必要は全然ない)

材木は2×4材(ツーバイフォー)の規格を採用。
これは断面が2インチ(38mm)×4インチ(89mm)で、コンピューター上でそれぞれの長さのオブジェクトを作成し、車の寸法にに合わせて組み合わせた。

車体の実際の寸法に当てはめて組み立て、何センチの材木が何本必要か割り出した。

材木を、長さ別に集計したところ合計で15.9mの長さが必要である事がわかった。

長さ 本数 合計の長さ
50cm ×8 4m
41cm ×8 3.2m
123cm ×4 4.9m
103cm ×2 2.1m
81cm ×2 1.6m
合計 15.9m

④ 材料の購入

メモ書きした紙を持参して、ホームセンターへ。
この情報を店員さんへ見せると、キッチリ綺麗に切断してくれる。数百円しかしない。
同時に全体の寸法に合う天板も購入。
合計で7100円ほど。

購入した材木を、シェアハウスの庭に並べてみた。
(※結局ベッドはやめて棚にしたので、この半分の材料しか使っていない。)

ベッド棚を組み立てはじめる

材料が揃い、ベッド棚作りを開始する。

① 材木を切り、組み立てる

購入したばかりの材木は、ザラザラやトゲが出ている事が多い。
日常的に触れる箇所は、ヤスリをかけておく。

スベスベになった材木を、長い材と短い材を合わせ、インパクトドライバを使いビスで結合する。

これを4セットつくり、脚が完成。

脚を車の荷台に仮に立て、枠の寸法を決める。

線を引き、ノコギリで切断する。

寸法が確定した材木で枠を作る。角をビス止めする。

完成した枠と、4つの脚をビスで止めて、土台が完成。

天板は大きめに注文したので、木枠の寸法で切らなければならない。

これが意外に時間がかかった。
手鋸で切ったが、ガタガタの仕上がりになり、無駄に力んでしまいすぐ疲れてしまう。
電動丸ノコがあれば綺麗に一瞬で終わるだが、手作業の苦労も知っておこう。

天板の切り口がトゲトゲになるので、ヤスリをかけて滑らかに。

もう一つ、同じ形のテーブルを作り並べてベッドにするつもりだったが「この下で寝ればよくない?」という、友達の(いっちゃん)のアドバイスを貰い、突如として作業を終えた。

車の荷台にセットして、ベッド・・・もとい棚が完成した。

マットレスのDIY

荷物を置く棚が完成し、次は寝床だ。
後部座席を倒すとある程度フラットにはできるが、座席の可動部に出っ張りがあり、4cmくらいの段差がある。
寝る時にこのデッパリが背中に突き刺さり、安眠出来そうにない。
段差を埋める何かがほしい。

スタイロフォームでマットレスをDIY

金谷の師匠、西野さんのアドバイスから「けんけん、スタイロフォームが良いぞ」との事で、ホームセンターで2枚購入した。
スタイロフォームは断熱材で「熱を伝えにくい」「水を吸収しない」「軽くて、丈夫」「加工が簡単」などの利点がある。
高密度の発泡スチロールみたいなものだ。1枚850円。

スタイロホームは剥き出しのままだとボロボロとカスがこぼれ出るので、布テープでぐるぐる巻きにした。
2枚重ねて厚みを持たせている。

段差を埋めるべく、なるべくフラットにさせるよう斜めにカットした。

3つの部品バラバラに作り、組み合わせることで後部座席も使えるようにした。
実際に入れてみると、ぴったりとはまる。

動画をご覧頂きたい。
マットをセットした状態から、分解して重ねるだけで後部座席が一瞬で使えるようになった。
なんという事でしょう!

アルミロールマットを重ねる

スタイロフォームの上で数泊寝たところ、体が痛みを訴えだした。思ったよりも硬い。
もっと柔らかにものが欲しい、と「アルミロールマット」を購入した。1枚880円。
体のデコボコを見事に吸収し、高品質な睡眠を得る事に成功した。

ここに無印良品で安売りしていた、フリース素材の毛布をかぶせて良い感じに仕上がった。

上記のマットを作るのに、4時間ほど時間がかかった。
一から作るのが面倒な人は、以下のような車中泊専用マットを買うことをお勧めする。
【メーカー直販】オンリースタイル 車中泊専用マット 標準サイズ 1枚 安心のメーカー直販(楽天市場)

車中泊時の目隠しを自作

車の中で寝ていると、外から車内が丸見えになってしまう。
なので、窓には目隠しをせねばなりません。

アルミロールマットを、窓の大きさ寸法ピッタリに形を切り取って、当てはめました。
大きさは絶妙な調整が必要です。

自作が面倒な人は、市販の「高級ブラインドシェード(サンシェード)」を購入しましょう。

車中泊快適化大作戦、完了

という事で、車中泊を快適にする為の、収納棚とマットレス作りの顛末を書いた。

この仕様で数週間寝起きをしているが、起床時の体の痛みもなく快適に眠る事に成功している。

これから暖かくなってくる季節、持ち運ぶ洋服も少なくなり、寝袋も必要なくなってくればどんどん車内は軽量化していく事だろう。
問題は夏暑くなった時に、灼熱になるであろう車内をどうすれば良いのか、今は考えないようにしている。

この記事によって、皆さんの車中泊生活をより快適にするヒントがあれば幸いだ。

そして私は、2018/3/13(火)からこの車で旅へ出る。
旅の最新情報はツイッターで流しているので、よければフォローしてくださいませ。
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でわでわ!

おまけ「車中泊DIYで掛かった費用と使った道具」

材料 2×4材・合板 ¥7,176
スタイロフォーム(断熱材)(×2) ¥1,696
アルミロールマット(×3) ¥2,640
布テープ (×3) ¥540
紙やすり ¥150
ビス 65mm (×2) ¥300
道具 インパクトドライバ ※借り物
ノコギリ ※所有物
メジャー ¥108
合計 ¥12,610

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